エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1065
2021.10.23 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
もう「Hydro GSM Lite PRO 750W」の外装や内部設計の観察は十分だろう。ここからは実際にシステムに組み込んで各種負荷テストを実行、その際の挙動から電源ユニットとしての信頼性を検証していく。なお、検証環境のCPUには12コア/24スレッドの「Ryzen 9 5900X」(3.70GHz/最大4.80GHz/キャッシュ6+64MB/TDP105W)、グラフィックスカードはRadeon RX 6900 XTを搭載したMSIのオーバークロックモデル「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」を用意。ミドルハイ級の環境を想定した750Wモデルにはやや重めの負荷が予想されるが、どのような挙動を見せてくれるだろうか。
12コア/24スレッドのハイエンドCPU Ryzen 9 5900Xを搭載する。なお、TDPは105Wだ |
オリジナルの3連ファンクーラー「TRI FROZR 2」を備えた、Radeon RX 6900 XTグラフィックスカードのOCモデル「Radeon RX 6900 XT GAMING X TRIO 16G」。TDPは300Wとされる |
メーカー公称の動作クロックは最大2,340MHzだが、優秀な冷却性能により最大2,500MHzまでクロックが上昇していた |
検証を行うにあたり、電圧変動を視覚的に把握できるモニタリングソフトの「AIDA64 Extreme Edition」を使用している。まずストレステストのトップバッターとして、このソフトに搭載されている「System Stability Test」を実行。すべてのチェックボックスを埋めて最大限の負荷がかかるよう設定し、フルロード状態の負荷を30分連続でかけてみることにした。
なお、テスト中の消費電力は最大592Wで、負荷率は約79%。システム負荷50%で最大の効率を発揮する電源ユニットとしては、だいぶ重めの負荷がかかっていたことになる。
CPUやグラフィックスカードといった主要パーツの動作に用いられる、12Vの挙動を中心にテストを振り返っていこう。まず印象的なのは、12Vにフォーカスしたグラフ波形のフラットさだ。多少の変動が見られる場合がほとんどなところ、強力ながら一定の負荷がかかるシチュエーションでは、電圧変動がまったくと言っていいほど見られない。
定格を割ることもなく、全体の変動幅は1%未満。PC向けの電源ユニットは規格上5%程度の電圧変動が許容されているため、かなり余裕のある動作であることが分かる。