エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1066
2021.10.26 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
大型ボディの外観周りをチェックしたところで、内部構造を解説していく。すみずみを確認していく前に、両サイドとフロント、トップの強化ガラスを取り外して身軽にしておこう。傷を付けないよう、作業中は外装パッケージの中に保管しておくといいだろう。
まずは開放された左側面からマザーボードトレイをチェックする。対応フォームファクタはE-ATX、ATX、MicroATX、Mini-ITXで、フルタワーらしく広いトレイ面積が確保されている。ただしE-ATXについては注釈がつき、幅は277mmまで。本来の規格は縦305mm、幅330mmだから、左右幅が若干短いことになる。コンシューマ向けのマザーボードなら問題ないが、サーバー用途などのマザーボードを選択する場合は、幅サイズの数値に注意が必要だ。
なお、トレイ面には予めATX規格に合わせた合計9本のスタンドオフが装着済み。うち、中段中央だけピン状で、マザーボードを固定する際の位置決めができるようになっている。この手のスタイルは増えており、ユーザーにとっては非常に使い勝手がいい配慮のひとつ。従来当たり前だった事でも、ひと工夫でガラリと変わる好例。他にもまだ改良点が潜んでいるかもしれない。
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マザーボードレイアウト図。制限付きながらE-ATX用に確保されたエリアも分かる |
イマドキのPCケースとあって、ボトムカバー(シュラウド)もしっかり標準装備されている。シャーシ同様のスチール製で、L字に曲げられたプレートをリベット固定。”周囲を覆う”といった意味のあるシュラウドは、電源ユニットとケージタイプのシャドウベイユニットを”格納”。当初アピールされていた熱源分離といった意味合いから、主に煩雑になるケーブル類を露出せずにマネジメントができるメリットが強調されるようになった。
なお前方は分割されており、1本のハンドスクリューでシャーシに固定。マザーボードトレイ右側の冷却ファン増設スペースや、フロント裏面にラジエターを搭載する際など、必要に応じて取り外す事ができる。
なおシュラウド内部高は実測で約130mm。一般的な製品に比べて高い印象だが、PCケースが大型であること、さらにケージタイプのシャドウベイユニット内トレイが3段である事がその理由だろう。
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前方はプラスチック、それ以降はスチール素材のボトムカバー。異なる材質ながら一体感のある作りはCORSAIRの丁寧な仕事と言える部分だろう |
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前方のプラスチック製カバーを外し、付属の「PSU Shroud Low Profile Cover」に付け替えることで、単なる開放部が標準仕様さながらに衣替え。側面が強化ガラスとあって、徹底したこだわりが見て取れる |