エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1066
2021.10.26 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからは「iCUE 7000X RGB」の冷却ファンレイアウトを解説していく。大型PCケースだけに、拡張性は大いに期待する人は多いだろう。広い内部容積や表面積を利用し、どのようなエアフローレイアウトが構築されているのだろうか。まずはフロント部からチェックしてみよう。
既に強化ガラス越しに見えている標準搭載ファンは、140mm「iCUE SP140 RGB ELITE」だ。これを3基搭載し、前面からフレッシュな外気を常時取り入れる重要な役割が任されている。またアドレサブルRGBファンだけに、イルミネーションとしても存在感は大きく、魅せるPCケースが主張されている部分だ。ちなみに国内市場では2021年4月より単体発売がスタート。スペックは回転数300~1,200rpm±10%、騒音値18~26.8dBA、風量23.07~68.11CFM、静圧0.26~1.66mmH2Oとされる。
冷却ファンが固定されているファンステイには、120mmファン換装用のスリットも装備。最大4基の120mmファンが搭載できる。さらにラジエターは120/140/240/280/360/420/480mmサイズに対応。長尺ラジエターをサポートし、多くの選択肢を用意した。
強化ガラス製トップパネルを取り外すと、前方から後方まで目いっぱい使える冷却ファン搭載スペースが露わになる。前後各1本のハンドスクリューで固定されているファンステイには、120mmおよび140mmファン固定用のスリットを用意。いずれも最大3基まで増設できる。さらにラジエターは120/140/240/280/360/420mmの各サイズをサポート。フロント部にはRGBファンが標準で装備されているため、冷却を水冷にする場合は、トップパネル部の搭載スペースを利用するパターンがほとんどだろう。
120/140mmファンを最大3基搭載できるファンステイは、前後各1本のハンドスクリューでシャーシに固定。冷却ファンまたはラジエターを固定する際は、PCケースから外した状態で作業ができる |
出荷時はカバーにより隠れているのが、マザーボードトレイ右手の冷却ファン搭載スペースだ。シャーシ高を目いっぱい活用し、120mmファンに限定されるものの最大4基増設可能。ラジエターも120/240/360/480mmサイズが搭載できる。ちなみにカバーとは、ケーブルマネジメント機構の一部である「AIRFLOW Motherboard Long Cable Cover」と「AIRFLOW Motherboard Short Cable Cover」のこと。冷却ファンまたはラジエターを増設する際は取り外す必要があるワケだが、これについては後ほど詳しく解説しよう。
リア上部には出荷時より140mm「iCUE SP140 RGB ELITE」が装備される。CPUやマザーボードの電源周りが集中するエリアの常時排熱は重要だろう。フロント同様、実用面に発光ファンの付加価値を付けた。なお120mmファンへの換装にも対応。選択肢の多い最もベーシックなオールインワン型水冷ユニットの搭載も想定済みだ。またラジエターは120/140mmサイズをサポートする。
マザーボードトレイ背面の、CPUクーラーメンテナンスホール上に固定されているのが「COMMANDER CORE XT」だ。長方形のユニットは、冷却ファン最大6基のライティングとファンコントロール制御が可能。コネクタは上部に「RGB HUB」x6ポート、下部に「FANS」x6ポートを備え、左右には温度がモニタリングできるセンサー「TEMP 1/2」も装備されている。
なおモデル名からも分かるように、CORSAIR独自の「iCUE」に対応。「LS100 スマートライティングストリップスターターキット」や、「RGB LED Lighting PRO拡張キット」などのiCUEデバイスに統合する事もできる。
出荷時よりフロントx3基+リアx1基の「iCUE SP140 RGB ELITE」が接続済み。左右には温度センサー(サーミスタ)が接続されており、任意箇所にテープなどで固定して温度をモニタできる |
さらにマザーボードトレイ背面には冷却ファンハブ基板も装備。搭載箇所は「COMMANDER CORE XT」の左上で、PWM対応4pinファンヘッダを上下各3ポート(計6ポート)装備。マザーボード上のファンヘッダピンを消費することなく、裏配線スペースで接続ができる。
冷却ファンハブ基板の動作には、SATA電源ケーブルとPWM 4pinコネクタを接続することになる |