エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1067
2021.10.28 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ゲーム関連のベンチマークが一段落したところで、消費電力をチェックしていこう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使い、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
アイドル時の消費電力は約74W。高負荷時でも400Wを超えることはなく、メーカーが推奨している750W以上の電源ユニットを用意すれば、ハイエンドCPUと組み合わせた場合でも電力が不足する心配はない。またOC Modeとの差は約20W。このクラスのシステムではそれほど大きな差ではなく、少しでもフレームレートを稼ぎたいならOC Modeを選択しておいたほうがいいだろう。
テストセッションのラストは「ASUS GeForce RTX 3070 Noctua OC Edition 8GB GDDR6」に実装されているオリジナルデュアルファンクーラーの冷却性能とノイズレベルをチェックしていこう。なお消費電力の計測と同じく、ストレステストは「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」で、「GPU Tweak II」のモードはOC Mode、BIOSは静音重視の「Q Mode」と性能重視の「P Mode」の2種類で測定を行った。
標準設定「Q Mode」のファン回転数は最高約1,260rpm、回転率は60%強で、余力はまだ十分残されている。にも関わらず、GPUの温度は最高60.7℃で、これまで検証してきたGeForce RTX 3070グラフィックスカードと比べると約6~12℃も低い結果。Hot Spotの温度も71.7℃で頭打ちとなり冷却性能は優秀だ。
ちなみに性能重視の「P Mode」でもファンの回転数は約60rpmしか上昇せず最高約1,320rpmだった。温度はHot Spotが71.2℃で、0.5℃下がっているものの、GPUは60.7℃で変わらず。BIOSのモードについてはどちらを選択しても大きな違いはないようだ。
またノイズレベルを確認するといずれも最高で35dBA台で、ほとんど無音に近い状態。今回は測定時のみ水冷ユニットのファンやポンプを止めて計測をしているが、実際のPCではCPUクーラーやケースファンのノイズのほうが確実に耳につくだろう。
空冷最強との呼び声も高いNoctuaとのコラボレーションモデルということで、VGAクーラーの出来栄えには期待している人も多いであろう「ASUS GeForce RTX 3070 Noctua OC Edition 8GB GDDR6」だが、検証から圧巻の実力を見せつけた。
ファン回転数は最高でも60%強ながら、現行のハイエンドグラフィックスカードの中では最高クラスの冷却性能を発揮。もちろん静音性についても極めて優秀で、正直バラックでのテストでも全くノイズは気にならなかった。
大型のヒートシンクや、厚さ25mmの120mmファンをそのまま搭載しているため、カードの厚さは4.3スロットとグラフィックスカードとしては最大級。さらにカード幅や重量など何かと注意事項はあるものの、冷却性能はもとより静音性にも徹底的にこだわるなら、唯一無二の選択肢と言っていい。
今回の搭載GPUはGeForce RTX 3070だが、まだまだ冷却性能には余力がある。ASUSにはGeForce RTX 3080以上のよりハイエンドなバリエーションモデル展開にも期待したい。
協力:ASUS Japan株式会社