エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1071
2021.11.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
MSI「MPG ARTYMIS 323CQR」 実勢売価税込75,000円前後(2021年11月現在) 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
ゲーミング液晶の黎明期より湾曲タイプの製品を主力として手がけてきたMSIは、業界で最も湾曲ディスプレイのノウハウを蓄えているメーカーだ。今回取り上げる「MPG ARTYMIS 323CQR」はその最新作にあたり、曲率は人間の視野とほぼ同じ1,000R。数ある湾曲ディスプレイの中でもキツめのカーブを描く製品だが、実は人間の視野に対して最も自然な湾曲率であり、視線を動かすことなく画面端の情報を把握できるメリットがある。
近付くと実感できる、最大級の湾曲率をもつ31.5型ゲーミング液晶ディスプレイ。1,000Rの湾曲率は、人間の視野そのままの見え方を実現している |
今回の主役である「MPG ARTYMIS 323CQR」は31.5型サイズの大画面モデルとあって、特にその恩恵が大きい。前方に広く展開した画面が絶妙なカーブを描き、視野全体を包み込むように覆う。大画面の迫力はそのままに、不自由さを解消して圧倒的な没入感に変換するという、湾曲ディスプレイの真骨頂とも言える特徴を備えた製品だ。
本来は画面が大きくなるほど迫力が増す反面、画面端の把握は難しくなる。「MPG ARTYMIS 323CQR」は、そのデメリットを1,000Rに達する湾曲パネルで解消した |
それでは、ひとまずここで「MPG ARTYMIS 323CQR」の液晶ディスプレイとしてのスペックや機能を総ざらいしておこう。最大解像度WQHD(2,560×1,440ドット)のVAパネルを採用し、リフレッシュレート165Hz、応答速度1msに対応。ディスプレイ同期はAMD FreeSync Premiumをサポートしている。FPSやレースゲームといった動きの激しいゲームでも、ハイエンドグラフィックスカードの性能を引き出し滑らかに描画することが可能だ。
特にこうしたジャンルのゲームは、圧倒的な没入感が得られる1,000R湾曲ディスプレイとは相性抜群。プレイするタイトルによっては、「MPG ARTYMIS 323CQR」がベストパートナーになるかもしれない。
また、最大輝度は400nitでDisplayHDR 400のHDR規格に対応。sRGBカバー率97.7%、DCI-P3カバー率89.8%の広色域表示が可能で、正確な色表現が可能な色映りの良いディスプレイという特徴も備えている。なお、コントラスト比は2,500:1、視野角は水平/垂直178°だ。
そのほか、暗部の見え方を調整できる「ナイトビジョン」などのゲーミング向け機能、「ブルーライト軽減機能」や「アンチフリッカー機能」といった定番アイケア機能も備えている。もちろん背面にはRGBライティング機能「Mystic Light」に対応したRGB LEDも内蔵。同様の対応パーツやアクセサリと組み合わせ、統一感のあるゲーミング環境を構築できる。
そして「MPG ARTYMIS 323CQR」を語る上で見逃せないのが、キーボード・マウスなどのUSBデバイスを2台のPCで共有できる「KVMスイッチ」を搭載している点だ。液晶ディスプレイというカテゴリ全体でも、ごく一部の高機能モデルにしか搭載されていない便利機能。MSIのディスプレイ製品としては初めてのことで、単なるゲーミング液晶の枠を超えた使い勝手の良さを備えている。
なお画面入力のインターフェイスは、HDMI2.0b×2、DisplayPort1.2a×1、さらにDP Alt modeに対応するUSB Type-C×1の4系統を搭載している。