エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1073
2021.11.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
より長時間ブースト状態を維持できる「Maximum Turbo Power」が設定された、第12世代Intel Coreプロセッサでは、これまで以上にマザーボードの電源回路の良し悪しが重要になる。そこで「MPG Z690 CARBON WIFI」では、フェーズダブラーを使わないダイレクトフェーズ設計による18(CPU)+1(グラフィックス)+1(AUX)フェーズ電源回路を搭載する。さらに8pinx2の補助電源コネクタや、「75A Smart Power Stage」(75A SPS)、「Titanium Choke III」など高品質なパーツを組み合わせることで、CPUの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるよう設計されている。
第12世代Intel Coreプロセッサに合わせてソケットも縦長のLGA1700に変更。CPUクーラーの互換性もなくなっているが、一部の製品ではリテンション単体での発売や、無償提供も行われている |
CPUの取り付け方法はこれまでと同じ片側レバー方式。装着時にピンに触れないよう注意は必要だが、手順は全く同じ |
ミドルレンジクラスのマザーボードでは間違いなく最高峰の計20フェーズにおよぶ電源回路。各パーツも整然と配置され、美しい仕上がりだ |
CPU用のMOSFETは「75A SPS」で、チョークコイルには「Titanium Choke III」を採用 |
RenesasのデジタルPWMコントローラ「RAA229131」 | 補助電源コネクタは8pinx2を搭載 |
そして電源回路の冷却には、2つの大型ヒートシンクをヒートパイプで連結した「Heavy plated MOS heatsink」を搭載する。またMOSFETには7W/mkの高熱伝導サーマルパッドを、チョークコイルにもサーマルパッドを貼り付けることで放熱性を向上。さらに2オンス銅層を備えたサーバーグレードの8層基板「IT-170 Server Grade PCB」を採用することで、放熱性を高めるととともに信号ロスを抑えている。
「Heavy plated MOS heatsink」には、MOSFET接触部だけでなく、チョークコイルの接触部分にもサーマルパッドが貼り付けられ、電源回路を効率よく冷却する |
チップセットには、第12世代Intel Coreプロセッサに合わせて発表されたIntel Z690を採用する。Intelとしては初めてチップセット自体のレーンがPCI-Express4.0に対応し、CPUとの接続もこれまでのDMI3.0x8からDMI4.0x8へと帯域幅が増加。またこれまでの「Z」シリーズと同じく、CPUのPCI-Expressレーン分割機能やオーバークロック機能を搭載する。
チップセットにも大型のアルミニウムヒートシンクを搭載 |
第12世代Intel Coreプロセッサ向けに設計されたIntel Z690。TDPは6Wで、USB3.2 Gen.2×2やIntel Wi-Fi 6E AX211等に対応する |