エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1073
2021.11.12 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「Click BIOS 5」の「Memory Try It!」を使えば、メモリのオーバークロックも比較的簡単に行うことができる |
第12世代Intel Coreプロセッサでは、従来のDDR4メモリに加えて、DDR5メモリのサポートが追加された。現在発売されている製品では、エントリークラスの製品を中心にDDR4スロットを搭載するマザーボードも多いが、「MPG Z690 CARBON WIFI」には最新のDDR5スロットが実装されている。さらに「Click BIOS 5」には、簡易チューニング機能「Memory Tri It!」が用意され、比較的簡単にメモリクロックを引き上げることができる。そこで今回はDDR5メモリのオーバークロックを試してみることにした。
SPD設定(DDR5-4800) | DDR5-5000 CL38設定 |
DDR5-5200 CL38設定 | DDR5-5400 CL40設定 |
今回はレイテンシを詰めずに、DDR5-5000 CL38、DDR5-5200 CL38、DDR5-5400 CL40、DDR5-5600 CL42の4種類のプリセットを試してみたが、DDR5-5600 CL42以外の設定では、OSの起動はもちろん、各種ベンチマークや負荷テストも問題なく動作させることができた。
そしてメモリ帯域を確認すると、クロックに合わせて順当にスコアを伸ばし、DDR5-5400の設定ではメモリリード・ライト・コピーとも定格から約10%上昇した。さらにメモリの影響がそれほど大きくない「CINEBENCH R23」でも約3%スコアが向上するなど、オーバークロックの効果は確実にある。あくまでも自己責任になるが、「Memory Tri It!」では、メモリ電圧や細かいタイミングはすべて自動で設定されるため、少しでも性能をアップさせたいなら試してみるといいだろう。
今回は第12世代Intel Coreプロセッサの解禁と同時に発売が開始されたMSI「MPG Z690 CARBON WIFI」の検証を進めてきた。MSIのラインナップとしてはミドルレンジとなる「MPG」シリーズに属する製品ながら、ハイエンドに匹敵する堅牢な電源回路と、優れた冷却システムを組み合わせることで、「Maximum Turbo Power」が241Wに設定されている最上位CPU Core i9-12900Kを搭載した場合でも、その性能を最大限に引き出すことができた。
またメモリの過渡期ということもあり、現在発売されているIntel Z690マザーボードではDDR4モデルも多い中、DDR5メモリに対応しているのもパフォーマンスを重視するユーザーにとっては大きなメリットだ。
さらに2.5ギガビットLANや、Wi-Fi 6E対応の無線LAN機能、Realtek「ALC4080」をベースにした「Audio Boost 5」などゲーマー向け機能も充実している「MPG Z690 CARBON WIFI」は、パフォーマンスが飛躍的に向上した第12世代Intel Coreプロセッサで、ゲーミングPCを組むならベストな選択肢となる1枚だ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社