エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1076
2021.11.20 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕/pepe(撮影協力)
今回取り上げるのは、Cooler Masterより販売が開始された変わり種。手元資料の冒頭をコピペすると「高度なカスタマイズが可能なオープンエアーフレームにより、魅せるPCシャーシ、あるいはテストベンチに、柔軟に変換できます」(Product Sheet日本語版抜粋)とある。
Cooler Master「MasterFrame 700」(型番:MCF-MF700-KGNN-S00) 市場想定売価税込26,800円(2021年11月19日) 製品情報(Cooler Master) |
本稿の冒頭でも触れたように、このPCケースは2つのモードからユーザーが選択し、好みのスタイルで運用できる点が最大のトピック。言わば1台2役のハイブリッドなPCケースというワケだ。そんな欲張りな設計は、どのような仕掛けになっているのだろうか。どのカテゴリにも属さない意欲作に注目が集まらないハズはない。
まずはザックリと「MasterFrame 700」のあらましを説明すると、マザーボードトレイを中心に、左右にはサイドウイングを装着。垂直設置によるオープンエアモードは、前面にパノラマ強化ガラススクリーンを備え、さながら構成パーツを壁に陳列するかのようなスタイルで魅せる事ができる。
さらにサイドウイングの角度を変え、マザーボードトレイを設置面と水平にするとテストベンチモードに様変わり。大型の”まな板”として運用できる。ちなみにCooler Masterからは2009年の12月に「TEST BENCH」(型番:CL-001)が発売されている。個人的にも愛用している同社初のベンチ台だが、これとは大きく異なり、かなり大掛かりでギミックを詰め込んだプロダクトという印象が強い。
また「TEST BENCH」に比べ、明らかに大型化されている。設置スタイルを問わず、対応マザーボードサイズはSSI-EEBを含め、全てのフォームファクタとされる。オーバークロック用途を見据え、拡張性の高さも特徴。両翼サイドウイングには、各々120mmファン3基または140mmファン2基が搭載可能。左右に長尺ラジエターを設置する事もできるのだ。
マザーボードトレイには、VESAマウント対応(100x100mm)のネジ穴を装備。壁掛けで魅せるスタイルも想定されている。ただし重量が12.15kgあるため、注意書きとしてVESAの重量基準を確認する事が推奨されている |
「MasterFrame 700」は部品をユーザーがネジ留めする組立式筐体。よって外装パッケージは大型の立体構造物を感じさせない、ブリーフケーススタイルとしている。上部中央にはナイロン製のハンドルが備わり、付属品や緩衝材を含めた総重量15.24kgを手軽に(とは言え多少力は必要)持ち運ぶ事ができる。主に3つのパーツフレームは輸送のし易さのみならず、塗装してより個性を際立たせたり、腕に覚えがあるなら改造する事もできる。
正面はCooler Masterの象徴である六角形、裏面には2つのモードが図説で紹介されている |
なおパッケージサイズは長さ770mm、奥行き458mm、高さ163mm。先にも触れた総重量は15kg超えだけに、頑丈な段ボールを採用。さらに内部は万一角をぶつけてもダメージがないよう、クッション緩衝材で厳重に梱包されており、内部は4層構造になっている。
蓋を開いた1層目(左)と2層目(右) |
3層目(左)と4層目(右)。いずれもパーツの型に合ったクッション緩衝材が用意されている |