エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1077
2021.11.23 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
ここからは「TUF Gaming VG28UQL1A」を実際に動作させながらパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCとして用意したのは、ASUSのゲーミングデスクトップPC「ROG Strix GA15」。基本構成はAMD B550マザーボードに、8コア16スレッドのAMD Ryzen 7 5800X、GeForce RTX 3070を搭載するゲーミングPCで検証機として不足はない。
持ち運びに便利なキャリングハンドルを備え強化ガラスのサイドパネルを採用。LEDライティング機能「Aura Sync」に対応する |
まずは「TUF Gaming VG28UQL1A」の映り具合を確認していこう。液晶パネルは水平垂直共に178°の視野角をもつASUS独自のFast IPSを採用する。実際に見てみると、SDR時の輝度は300cd/m2と一般的ながら、均一性は高くフレーム端で輝度が視認性落ちていると感じることもない。これならゲームのみならず動画鑑賞やクリエイティブ用途にも使いやすい。
リフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/100Hz/120Hz/144Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
リフレッシュレートが高くなるにつれて残像感が抑えられ、144Hzでは非常にシャープな画質であることが分る。またFast IPSの高速応答により60Hz環境においても残像は素早く処理されているが、すべてのリフレッシュレートでゴーストも顕著に発生している。
続いてディスプレイ同期を無効にすると、どのような影響が発生するのか確認してみよう。先ほどと同様に、テストにはレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレートはいずれも144Hzに設定した。ディスプレイ同期をONとOFFにした状態をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
ディスプレイ同期をOFFにすると、それまでは全く問題なかった映像でティアリング現象の発生が確認できる。ズレはスローでも一瞬の出来事だが、ハイスピードなプレイに慣れているユーザーであれば違和感を感じるはずだ。安定したFPSを発揮できるマシン構成ならば積極的にディスプレイ同期はONにしたい。
続いて「Extreme Low Motion Blur Syncの効果を確認していこう。従来、ディスプレイ同期とモーションブラー低減機能は、同時利用ができなかったが、ASUS独自の「Extreme Low Motion Blur Sync」では、2つの機能を同時に利用することができる。これにより、シャープで低残像、かつティアリングやスタッタリングの無い可変リフレッシュレート型同期を実現する。
テストではこれまで同様にレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレートはいずれも144Hzに設定。「Extreme Low Motion Blur Sync」をONとOFFにした状態をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影してみたので、まずは動画を見て欲しい。
「Extreme Low Motion Blur Sync」を有効にすると赤フレームが挿入される。これまでのテストで確認できていた残像やゴーストが見えにくくなり、結果としてよりシャープな印象になっている。ASUSのモーションブラー低減機能は、これまでのモデルでは黒フレームの挿入が多かった。そのため、黒フレームが通過する部分は一瞬でも完全にブラックアウト状態になるため輝度低下が確認できた。「TUF Gaming VG28UQL1A」では赤フレームになったことで輪郭を維持することに成功している。なお、赤フレーム通過直後に強いシアン色が確認できるが、その効果は一瞬で影響はないと感じた。
最後のテストでは可変オーバードライブテクノロジーの効果を確認していく。可変オーバードライブテクノロジーは、フレームレートの変動に合わせてオーバードライブの設定を動的に変化させる機能だ。オーバードライブの強度はレベル0からレベル5まで任意で設定可能で、OSDのデフォルトではレベル3になっていた。
テストにはレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用。リフレッシュレートを144Hzに設定したうえでディスプレイ同期を有効化、オーバードライブの強度をレベル0、レベル3、レベル5に設定した状態をデジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
動画を見れば一目瞭然だが、レベル0とレベル5では応答速度の違いは歴然だ。一方でOSDデフォルト設定となるレベル3を見ると、リフレッシュレート比較テストでも確認できたゴーストが発生しているが、レベル0ではほとんどゴーストが発生していない。さらに最大強度となるレベル5ではゴーストだけでなくオーバーシュートの発生や画質劣化も確認できる。
今回のテストでは、リフレッシュレートが常時144Hzに張り付いた状態で行っている。プレイ中にフレームレートが変動する場合には効果を発揮すると思われるが、基本的にはデフォルト設定で問題ないだろう。もしオーバードライブ強度を変更するなら、個々の環境に合わせた設定を探っていく必要がありそうだ。