エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1079
2021.11.30 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
各種ベンチマークテスト、ゲームプレイによる検証が終わったところで、「Radeon RX 6600 MECH 2X 8G」を搭載したシステムの消費電力をチェックしていこう。ストレステストの「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用した際の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行った。
TBPは132WとされるRadeon RX 6600を搭載したシステムとあって、高負荷時でも最大205Wと控えめな数値に。アイドル時も44W程度であり、Radeon RX 6600の省電力性能はかなり優れている。MSIによる推奨電源容量は500Wとされているが、450W程度の電源ユニットでも不足はなさそうだ。
それでは各種検証の締めくくりとして、最後は「Radeon RX 6600 MECH 2X 8G」が装備するデュアルファンクーラーの挙動をチェックしておきたい。先ほど同様にストレステストの「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を動作させ、ファン回転数とGPU温度、騒音値の測定を行った。
ファン回転数は低負荷時はセミファンレス機能が働き停止しているものの、負荷がかかると回転を開始し、高負荷時は2,200rpm前後を維持する仕様。騒音値は(セミファンレスOFFの)アイドル時と比べても10dBAしか変わらず、静音性に優れている。
それでいてGPU温度は40℃台半ば、Hot Spot温度も65℃程度に留める冷却性能があり、さすがは2スロット超のクーラーと言ったところ。そのサイズはややネックになるかもしれないが、それに見合った冷却性能・静音性を兼ね備えたクーラーであることが分かった。
近頃は高解像度なディスプレイが多くリリースされるようになったとは言え、2020年出荷のゲーミング液晶の約2/3をフルHDモデルが占めたとのデータもあり、まだまだフルHDが“ゲーミング標準”である点は変わらない。ミドルゲーマーの多くが求めるのもフルHDゲーミングの快適さであり、そうした向きにRadeon RX 6600はちょうどいい選択肢と言える。
高リフレッシュレートなフルHDのゲーミング液晶の実力を引き出せる十分なパフォーマンスがあり、タイトル次第では背伸びしてWQHD環境の快適プレイも可能。超解像技術の「FSR」に対応したタイトルであれば、上位GPUを搭載したような別次元のパフォーマンスも発揮してくれる。唯一のネックだった流通状況が改善すれば、“ゲーミング標準”の快適さとコストを両睨みするミドルゲーマーにとって、最適な選択肢になり得るだろう。
そしてそんなRadeon RX 6600グラフィックスカードの中にあって、この「Radeon RX 6600 MECH 2X 8G」は極めて手堅いチョイス。動作クロックこそリファレンス準拠だが、装備する重厚なデュアルファンクーラーが優秀で、GPUの性能をしっかりと引き出してくれる。低騒音でGPU温度を低く抑え込める実力があり、搭載コンポーネントも長寿命な高耐久仕様。長く安心して使える、ミドルゲーマーにとっての“ちょうど良さ”が光る秀作グラフィックスカードだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社