エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1082
2021.12.06 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは消費電力を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、「CINEBENCH R23」「Time Spy」「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」は各ベンチマーク実行時の最高値を採用している。
すべてのCPUコアに負荷が掛かる「CINEBENCH R23:マルチコアテスト」の結果を確認すると、1.5倍以上のスコアを記録しながらCore i7-11700Kより消費電力は約10W低下した。そして、システムが違うため横並びの比較ではないが、Core i9-12900Kからは100W近く低下しており、電源回路や電源ユニットへの負担はかなり軽減されている。ただし、Ryzen 9 5900Xよりは約50W高く、マルチスレッド処理時のワットパフォーマンスについてはRyzen 5000シリーズのほうが優勢だ。
一方、「CINEBENCH R23:シングルコアテスト」では、Core i7-12700KがCore i7-11700KやRyzen 9 5900を圧倒しているにもかかわらず10W以上も低くなった。さらに「Time Spy」や「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」でもCore i7-12700Kが最も低く、シングルスレッド処理や、グラフィックスカードの負荷が高い処理ではCore i7-12700Kのワットパフォーマンスは非常に優秀だ。
今回は「第12世代Intel Coreプロセッサ」のハイエンドモデルCore i7-12700Kと、DDR4メモリに対応するIntel Z690チップセットマザーボードGIGABYTE「Z690M AORUS ELITE DDR4」を組み合わせたゲーミングPCのパフォーマンスをチェックしてきた。最上位モデルであるCore i9-12900Kと比べると半減しているものの「Eコア」追加の影響は大きく、マルチスレッド性能は先代のCore i7-11700Kから最大で約1.5倍と大幅に向上している。
さらにシングルスレッド性能については、DDR5メモリとDDR4メモリの違いもほとんど見られず、間違いなく現行のCPUでは最高峰のパフォーマンスを発揮する。それでいて消費電力は低下しており、第11世代Intel Coreプロセッサに対してはあらゆるシーンで上回っていると言って過言ではない。
また、直接のライバルになるであろうRyzen 9 5900Xとの比較でも、4コア分は効率を重視した「Eコア」ながらマルチスレッド性能はほぼ同等。そしてゲーム性能、特にフルHD解像度でリフレッシュレートを追求するようなシーンでは、圧倒するパフォーマンスを発揮する。
ライバルより1万円以上も安く購入できるCore i7-12700Kと、DDR5メモリに比べて入手性に優れるDDR4メモリが使えて、マザーボード自体の価格も税込28,000円前後と安価なGIGABYTE「Z690MAORUS ELITE DDR4」は、これからゲーミングPCを組むなら最適解となる組み合わせだ。
協力:インテル株式会社