エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1083
2021.12.08 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
外観スタイルをじっくり確認した後は、PCケースの善し悪しを決める内部構造をくまなく見ていく。ここまでは普及価格帯にあって、奇をてらわないベーシックな筐体という印象。とは言え、どんなにオーソドックスでも、ある程度拡張性が確保されていれば、構成パーツで完成したPCの印象をガラリと変える事ができる。そのベースモデルとしての素質はあるのだろうか。両サイドパネルを取り外し、チェックを開始しよう。
左側面から内部をのぞくと、正面にはマザーボードの搭載スペースが広がっている。スペック表によると、マザーボードトレイにはE-ATXを筆頭に、ATX、MicroATX、Mini-ITXが搭載できるとされる。ちなみに資料にもその記載は見当たらないが、E-ATXについてはフルサイズの搭載は厳しいはず。近頃よく見かける制限付きのE-ATXという認識で正解だろう。なおマザーボードトレイには、予めスタンドオフが計9本装着済み。うち中央の上段と中段には段差付きのスタンドオフが使用されており、ネジ固定前の仮留めがしやすくなっている。
ミドルタワーPCケースの多くに装着されているボトムカバー(シュラウド)。L字型に曲げられたカバーはシャーシにリベット留めされ、その内部には電源ユニットとHDDマウンタが収納される。前方にはラジエター増設を見越した切り込みや、天板部分の付け根にはスルーホールも設けられている。なお内部天井高は実測で約100mmだった。
次にCG560の冷却性能を確認してみたい。PCケースにおける冷却性能は、冷却ファンの物理的搭載可能数はもとより、効率のいいエアフローレイアウトが構築できる通気孔の用意など、総合的に見極める必要がある。前面を十字にデザインし全面通気孔仕様だけに、CG560は冷却性能も大いなるセールスポイントとして、積極的にアピールされている。
ここからは個別に冷却ファンレイアウトを解説する。CG560のフロントパネル内部には、出荷時より120mmのアドレサブルRGBファン3基が搭載されている。例の十字にデザインされた通気孔から、ARGBファンの鮮やかな発光が漏れて見える仕掛けで、冷却ファンが全て露出する見せ方に比べ前面からの眩しさを軽減する効果もあるだろう。
なお140mmファン2基に換装できるスリットタイプのネジ穴も用意。対応ラジエターは、120/140/240/280/360mmの各サイズで、第12世代Intel Coreプロセッサ上位機種が理想とする、360mmサイズラジエターのオールインワン型水冷ユニットにも対応している点がポイントだ。
ARGB LEDが映える乳白色のインペラは7枚仕様。ラベルには「DF1202512DC」(DC12V/0.12A)とあり、カタログ外モデルの特殊な羽形状はファンというよりもプロペラのイメージ |