エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1083
2021.12.08 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションではCG560に構成パーツを組み込んでみる。搭載テストには第12世代Intel Coreプロセッサを用意し、現行最上位となるCore i9-12900Kの冷却には必須と言われる、360mmサイズラジエターを前面に搭載。ミドルタワーPCケースにおけるハイエンド構成で実際にPCを完成させよう。
まずはマザーボードを搭載してみる。検証にはASUS「ROG MAXIMUS Z690 HERO」を用意。出荷時より装着済みのスタンドオフにネジ穴を合わせ、付属のMotherboard screws(ミリネジ)で計9箇所をネジ留めしていく。作業の妨げになるものが無く開口部が広いため、ドライバーを使った作業もスムーズに行う事ができた。
ただ1点気になったのが、ASUS「ROG MAXIMUS Z690 HERO」の大型I/Oカバーとリア標準装備140mmファンの間にほぼ隙間がなく、ケーブル1本も通す事ができない。ギリギリ干渉は回避できているものの、非常にタイトである事は確かだ。なお搭載後のクリアランスは、トップパネルまでが約40mm、前方標準搭載120mmファンまでは約120mmだった。
マザーボードを固定したところで、マザーボードトレイ背面のCPUクーラーメンテナンスホールを確認する。開口部を確認すると、LGA1700ソケットの四隅にあるCPUクーラー固定用の穴は全て露出できており、カットサイズは十分だ。実際に計測してみると、幅は約180mm、高さは約145mm。大型バックプレートにも対応ができそうだ。
なお従来ならここでCPUクーラーの有効スペースを計測しているが、今回はオールインワン型水冷ユニットを前提とした組み込みだけに、さほど神経質になる必要はないだろう。ちなみに公称値は高さ175mmまで。サイドフロー型CPUクーラーをチョイスした場合でも、140mmファン搭載の中~大型モデルが選択肢に入るはずだ。
電源ユニットの搭載テストにはDeepcool「DQ750-M-V2L」(型番:DP-GD-DQ750-M-V2L)を用意。搭載ファンは120mmながら、奥行きは160mmの中型サイズ。フルモジュラー式の750Wモデルで、80PLUS GOLD認証を取得している。
既に触れた通り、固定方法はマニュアルいらず。右側面のボトムカバー開口部より本体を挿入し、底面の円形クッションの上に電源ユニットを乗せてCG560背面から4本のインチネジでネジ留めを行う。ボトムカバー高は実測で約100mmあり、高さ86mmのATX規格電源ユニットは扱い易い。
なお、同じく底面を占有するHDDマウンタを前寄りに固定し、空きスペースを+30mm拡張させると、電源ユニットを固定したままでもモジュラーコネクタの抜き挿しは可能だった。ここは作業順にもよるところだが、予め主要な配線が終わるまで、HDDマウンタは一旦取り外した状態でもいいだろう。言うまでもなくストレージは外部に駆動部品がないため、ケーブルまみれの中にあっても問題はない。
そもそもボトムカバー内は構成パーツが複雑になるほど、ケーブルで煩雑な状態になる。これを隠す役割は大きく、魅せるPCが主流の昨今、強化ガラスとボトムカバーは切っても切り離せない関係にあるというワケだ。