エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1086
2021.12.16 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「Z690 Taichi」の各エリアを画像でチェックしていく。まずは最新世代で重要さを増した電源周りから |
従来からパフォーマンスを大きく向上させた第12世代Intel Coreプロセッサは、長時間のブースト動作を維持する「Maximum Turbo Power」が導入されるなど、電源制御機構を刷新。マザーボードの電源回路にかかる負荷もこれまで以上に大きくなっている。
そのため、「Z690 Taichi」では電源フェーズ数を前世代の12+2構成から19+1フェーズへと増強。さらにMOSFETはDr.MOSの上位仕様とも言える「Smart Power Stage(SPS)」を採用した「105A SPS」を搭載するほか、飽和電流を通常の3倍以上に高めた「105A プレミアムチョークコイル」、製品寿命が20%以上も長い「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」など、いずれも厳選した高品質コンポーネントが実装されている。
また電源モジュールの冷却には、ヒートパイプで連結された2ブロック構造の「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」を採用。左側のヒートシンクに内蔵された冷却ファンに加えて、オプションのアクティブファン「パーソナライズMosファン」を取り付けて冷却能力をプラスできる。なおオプションのファンは、別途用意した40mmファンに付け替えることも可能だ。
多フェーズ構成の電源回路を効率よく冷却する、大型のヒートシンク「XXLアルミニウム合金製ヒートシンク」を備える |
上部のヒートシンクには、冷却性能を向上させる「パーソナライズMosファン」の取り付けが可能だ |
2ブロック構造のヒートシンクはヒートパイプで連結されている |
ヒートシンクを取り払って電源回路をチェック。前世代の12+2から19+1フェーズ構成へと増強された |
「105A SPS」や「105A プレミアムチョークコイル」、「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」といった高品質部材で構成されている |
Renesas製デジタルPWMコントローラ「RAA229131」 | 補助電源コネクタは8pin×2を備える |
一際目を引くのは、I/Oカバー上に搭載されたギアの回転ギミック。前世代の「Z590 Taichi」から引き続き採用された |
I/Oカバー裏には、ギアのギミックを稼働させているモーターが内蔵されていた |
新しいLGA1700プラットフォームに最適化された、ホールピッチ78mmの専用ソケット。安定性やクーラー密着度を考慮し、あえて従来との互換性は持たせなかったという |
基板裏の大部分を覆っているバックプレート。裏面の保護や剛性を高める交換に加え、電源モジュールの放熱を裏側から助ける役目がある |
「Z690 Taichi」が搭載するチップセットは、第12世代Intel Coreプロセッサに対応する「Intel Z690」だ。Intelのチップセットとして初めてPCI-Express4.0レーンを備え、CPU・チップセット間の接続には従来比2倍の帯域幅をもつDMI4.0x8が採用されている。DDR5メモリやCPUのPCI-Express5.0レーンが利用できる点も特徴で、いずれ登場する次世代CPUにも対応するとされる。
そのほか、CPUのオーバークロックやPCI-Expressレーン分割(x16/x4またはx8/x8/x4)機能を搭載。最大4ポートのUSB3.2 GEn.2×2や2.5ギガビットLAN、Intel Wi-Fi 6Eなどのインターフェイスをサポートしている。
第12世代Intel Coreプロセッサ向けとしては、現状唯一の対応チップセットである「Intel Z690」。CPU・チップセット間の接続にDMI4.0x8が採用され、ボトルネックも解消されている |
ギアのデザインが施されたチップセットヒートシンク。しっかりとした厚みがあり、RGB LEDも内蔵されている |