エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1087
2021.12.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4」では、高速なNVMe M.2 SSDのサーマルスロットリングを解消するため、上段と下段のM.2スロットにはアルミニウム製の「M.2ヒートシンク」を搭載している。そこで今回は「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数を9回に設定して3回連続で実施し、その温度と転送速度を確認してみることにした。なお「HWiNFO」では、SSDのログが取得できなかったため、温度は「CrystalDiskInfo 8.12.12」、転送速度は「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果を採用している。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンクありの「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
ヒートシンクなしの状態ではテスト開始直後から温度が一気に74℃まで上昇する。その後はサーマルスロットリング機能によって転送速度を抑えることで温度が上がりすぎるのを防いでいる。一方、「M.2ヒートシンク」を装着すると温度上昇は一気に緩やかになり、3回目のベンチマークでも最高温度は59℃までしか上がらなかった。転送速度もほぼ公称値通りで、SSDの性能を十分発揮することができるようになる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ |
ヒートシンクあり:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクあり:高負荷時のサーモグラフィ |
またサーモグラフィの結果を確認すると、高負荷時にはコントローラ部分は100℃を超えてしまう。正直常用はためらわれる状態で、SSDの製品寿命を伸ばす意味でも「M.2ヒートシンク」は有効な装備と言えそうだ。
第12世代Intel Coreプロセッサでは、電力制御機構が改良され、Intelの規定通りの動作でもブースト状態がより長時間維持できるようになった。これにより、電源回路の負担が大きくなり、これまで以上に冷却機構が重要になる。そこで本項では、ストレステストとして非常に負荷の高い「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使い、電源回路(VRM)の温度がどう変化するのか確認をしてみることにした。
「HWiNFO」では確認ができなかったため、「VRM」の温度は「Armoury Crate」で取得している |
アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
「Maximum Turbo Power」が190Wに設定されているCore i7-12700Kによるテストだが、「VRM」の温度は最高60℃で頭打ち。CPUソケット周りのエアフローが厳しいオールインワン型水冷ユニットを使った場合でも低く抑えられており、「TUF GAMING Z690-PLUS WIFI D4」であれば電源回路の冷却性能が不足する心配はないだろう。