エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1089
2021.12.27 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
CPUには性能と発熱のバランスが良い、ハイエンドモデルのCore i7-12700Kをチョイスした |
ここからは今回の静音PCで使用するパーツを個別に紹介していこう。CPUには8コア/16スレッドのPコアと、4コア/4スレッドのEコアを搭載する第12世代Intel CoreプロセッサのハイエンドモデルCore i7-12700Kをチョイスした。
最上位モデルCore i9-12900Kに比べると、Eコアこそ半分に削減されているものの、高性能なPコア数は同等。さらに動作クロックもPコアが最高5.00GHz、Eコアが最高3.80GHzとかなり高めに設定されていることから、オフィス系のアプリケーションや、ゲーム性能には大いに期待ができる。
一方、電力設計はベースとなるProcessor Base Powerは125WでCore i9-12900Kと同じだが、ブースト時のMaximum Turbo Powerに関しては190Wへと51Wも引き下げられている。これにより高負荷時の発熱は大幅に低下しており、CPUクーラーから発生するノイズを抑えることができるはずだ。
MSI「MEG CORELIQUID S360」 実勢価格税込39,000円前後(2021年11月12日発売) 製品情報(MSI) |
CPUクーラーには、MSIのオールインワン型水冷ユニットでは最上位となる「MEG CORELIQUID S360」を使用する。Asetekと共同開発した製品で、ポンプには最新の第7世代ポンプユニットを、ラジエターには120mmファンを3基並べて配置できる大型の360mmサイズラジエターを採用する。
最上位の「MEG」シリーズらしく、ブラックをベースに要所にゴールドがあしらわれたパッケージを採用。また右下にはAsetekのロゴも飾られている |
また冷却ファンには、熱膨張や高速回転時の歪みが少ない硬質な液晶ポリマーブレードと、堅牢かつ低摩擦なHydro-Dynamic Bearingを組み合わせた120mmファン「MEG SILENT GALE P12」を搭載。これによりノイズを最小限に抑えつつ、高い冷却性能を発揮できるよう設計されている。
冷却ファンは120mm径の「MEG SILENT GALE P12」。四隅には防振ゴムを備え、共振による耳障りなノイズが発生することもない |
またウォーターブロック部分にはマザーボードの電源回路や、M.2 SSDなどを効率よく冷却する60mmサブファンを標準装備。さらにCPU温度・ファン回転数などのハードウェア情報や、画像、GIF動画、テキスト、天気情報などを表示できる2.4インチIPSディスプレイを備え、サイドに強化ガラスを採用するPCケースとの相性は抜群だ。
「MSI Center」の「Coreliquid」ユーティリティを使えば、2.4インチIPSディスプレイの表示内容を細かく設定できる |
なお対応プラットフォームはIntelがLGA1150/1151/1155/1156/1200/1700/2011/2011-3/2066、AMDがSocket AM4/FM2+/FM2/FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2/TR4/sTRX4/SP3とされ、現行ほぼ全てのCPUに使用することができる。
MSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」 実勢価格税込37,000円前後(2021年11月4日発売) 製品情報(MSI) |
今回使用するマザーボードは、メモリの入手性を考慮してDDR4に対応する「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」をチョイスした。MSI「MAG」シリーズに属するメインストリームモデルながら、70A SPSによる16+1+1フェーズの強力な電源回路を搭載。また大型のアルミニウムヒートシンクや、2オンス銅層を備えた6層PCBなど冷却にもこだわることで、ハイエンドCPUを組み合わせた場合でも安定動作を可能にしている。
メモリスロットはデュアルチャネル対応のDDR4x4本で、動作クロックは最高5,200MHz、容量は最大128GBまで増設が可能。ストレージはSATA3.0(6Gbps)x6に加え、PCI-Express4.0接続のM.2×3、PCI-Express3.0接続のM.2×1を備え、そのすべてに専用ヒートシンク「M.2 SHIELD FROZR」を搭載する。さらにグラフィックスカード用の拡張スロットは従来の2倍の帯域幅を誇るPCI-Express5.0(x16)で、周囲をメタルシールドで補強した「PCIe Steel Armor」仕様だ。
その他、オーディオ回路は最大32bit/384kHzに対応するRealtek「ALC4080」をベースにした「AudioBoost 5」で、帯域幅20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cや、Intel I225Vによる2.5ギガビットLAN、最高2,402MbpsのWi-Fi 6無線LANなど高速なインターフェイスも充実している。
MSI「GeForce RTX 3080 Ti VENTUS 3X 12G OC」 実勢価格税込200,000円前後(2021年7月21日発売) 製品情報(MSI) |
グラフィックスカードには、LEDを省略した質実剛健なデザインを採用する「GeForce RTX 3080Ti VENTUS 3X 12G OC」を用意した。ブーストクロックを1,695MHzに引き上げたオーバークロックモデルで、12GBの大容量ビデオメモリを搭載。現行のグラフィックスカードの中でも最高クラスのパフォーマンスを誇り、4Kの高解像度環境や、300Hzを超える高速リフレッシュ環境でもストレス無くゲームを楽しむことができるだろう。
そしてVGAクーラーには「トルクスファン 3.0」によるオリジナル3連ファンクーラーを搭載。もちろんセミファンレス機能「ZERO FROZR」にも対応しており、グラフィックスカードへの負荷がない状態ならゼロノイズでの運用が可能だ。
主なスペックはCUDAコア数10,240基、メモリスピード19Gbps、メモリバス幅384bitで、出力インターフェイスはDisplayPort1.4ax3、HDMI2.1×1。消費電力は最高350W、補助電源コネクタは8pinx2、バスインターフェイスはPCI-Express4.0(x16)に対応する。