エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1090
2021.12.29 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ここからは「iCUE H150i ELITE LCD」を実際にPCに組み込み、冷却性能をチェックしていこう。まずは第12世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-12900Kの検証から進めていく。ストレステストは「OCCT 10.0.4:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類で、「iCUE」のファンプリセットは標準設定の「安定」を選択。またUEFIの「CPU Cooler Tuning」は、Intelが定格としているPL1=PL2=241Wの「Boxed Cooler」と、事実上のリミット解除設定になるPL1=PL2=4,096Wの「Water Cooler」の2種類の設定で行っている。
Pコアが8コア/16スレッド、Eコアが8コア/8スレッドのCore i9-12900K |
「CPU Cooler Tuning」は、「Boxed Cooler」と「Water Cooler」の2種類を選択している |
「Boxed Cooler」を選択したところ。PL1、PL2とも241Wに設定されている | 「Water Cooler」を選択したところ。PL1、PL2は4,096Wに設定され、実際にはノーリミット状態になる |
まずIntelの公称設定である「Boxed Cooler」選択時の結果を確認すると、「Package Power」が210W前後までしか上がらない「OCCT 10.0.4」では、途中何度か85℃まで温度が上がるものの概ね75℃前後で推移する。また「Package Power」が240W前後まで上昇する「CINEBENCH R23」でも最高87℃までしか上がらず、Intelの公称設定であればまだ余力が残されている。
続いてリミット解除になる「Water Cooler」の結果を確認すると、「OCCT 10.0.4」では「Package Power」が250W前後まで上昇するもののCPUの温度は概ね90℃以下を維持することができている。そして「Package Power」が280Wを超える「CINEBENCH R23」でもCPUが許容する100℃に達することはなかった。動作クロックも「Boxed Cooler」では4,800MHz~4,900MHzで細かく変動していたのに対して、「Water Cooler」を選択した場合は常に4,900MHzを維持することができており、「iCUE H150i ELITE LCD」ならCore i9-12900Kの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができる。
「Boxed Cooler」の設定では「OCCT 10.0.4」で約1,700rpm、「CINEBENCH R23」でも約1,800rpmで、若干だが余力が残されている。ただし、「Water Cooler」の「CINEBENCH R23」実行時はさすがにほぼフル回転となる約2,000rpmまで回転数が上昇する。ちなみに騒音値は最高で46.7dBAを記録しているが、ブレードデザインの最適化により高周波ノイズが最小限に抑えられているため、バラックの状態でも思いの外うるさく感じることはなかった。