エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1094
2022.01.08 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
MSI「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」市場想定売価税込26,080円(2022年1月5日発売) 製品情報(MSI) |
第12世代Intel Coreプロセッサの「Non-K」シリーズや「T」シリーズに合わせて、Intel 600シリーズの下位チップセット計3モデルが投入された。その中でもIntel B660はちょうど中間に位置づけられるミドルレンジモデルだ。フラッグシップのIntel Z690と比較すると、CPUのオーバークロック機能やPCI-Express5.0のレーン分割機能などが省略されている。
とは言え、最近ではグラフィックスカードが高速化されたこともあり、コンシューマ向けPCでマルチグラフィックス環境を利用することはほとんどない。そしてCPU自体にブースト機能が実装されたことで、オーバークロック機能についても以前ほどは重要でなくなっている。
LGA1700向けミドルレンジチップセットIntel B660。主にエンスージアスト向けの機能や、一部拡張性を抑えることで低価格化を実現している |
またCPUとチップセットを接続するDMI4.0や、PCI-Expressのレーン数、SATAポート数など拡張性にも一部制限があるが、こちらも標準的なシステムであればその影響は軽微。メモリチャネル数や帯域幅20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2、Wi-Fi 6Eなどのサポートは変わらず、メモリのオーバークロック機能にも対応していることから、多くのユーザーにとっては機能面で不足を感じることはないだろう。
Intel 600シリーズのスペック比較。ローエンドのIntel H610だと非対応の機能が増えるが、Intel B660までなら上位チップセットとの機能面の差はそれほど大きくない |
そんなIntel B660チップセットを採用するMicroATXマザーボードが今回の主役である「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」だ。MSIのゲーミングレーベルの中では、最も手頃な「MAG」シリーズに属する製品ながら、Intel B660チップセットでは最高クラスの12+1+1フェーズにおよぶ堅牢なデジタル電源回路を搭載。さらにリアインターフェイス部分まで迫り出す大型のヒートシンクや、2オンス銅層を備えた6層PCBを採用するなど冷却にも力を入れている。
Intel B660チップセットマザーボードの中ではかなり強力な電源回路を搭載する「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」。もちろんCPUもCore i9-12900K/KFを含め、現行すべての第12世代Intel Coreプロセッサをサポートする |
またゲーミングPCで重要なネットワーク機能は、2.5ギガビットLANとWi-Fi 6無線LANの2系統で、オーディオ回路にはノイズを抑えた設計の「Audio Boost」を搭載。さらに帯域幅20Gbpsの高速インターフェイスUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cを備えるなど、ミドルレンジ向けのマザーボードとしてはかなり豪華な構成だ。
その他、NVMe M.2 SSDのサーマルスロットリングを抑制する「M.2 Shield Frozr」や、重量級のハイエンドグラフィックスカードを受け止められるようメタル補強を施した「PCIe Steel Armor」、紛失の心配がない「組込済I/Oシールド」など、ミドルレンジ以上のマザーボードでは標準となっている機能についてももれなく網羅している。
MicroATXマザーボードらしいコンパクトなパッケージ。サイズは実測で幅285mm、高さ270mm、厚さ80mm |
パッケージの裏面には主要な機能の解説や簡易スペックが記載されていた | 各種マニュアルやドライバDVDの他、ワイヤレスアンテナ、SATAケーブル、EZ M.2 Clip、ドライバーセットなどが付属する |
なお「MAG B660M MORTAR WIFI DDR4」自体にLEDは実装されていないが、RGB LED用x1、アドレサブルRGB LED用x2の計3基のピンヘッダを備え、「Mystic Light」によるイルミネーション機能も利用できる。