エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1099
2022.01.29 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
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「arkhive GC-I9G38R」は、Core i9-12900Kの性能を最大限に引き出すために冷却にこだわった構成が採用されている。ベンチマークによる検証が一段落したところで、あらためて高負荷環境における「arkhive GC-I9G38R」の挙動を確かめておきたい。長時間のストレステスト「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を実行し、その際の各種データを見ていこう。
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Package Powerは概ね260Wほど、Pコアの動作クロックは約5,000MHzをピタリ維持できており、性能の下落はまったくない。CPU温度も85℃~90℃の範囲に留まっていることから、360mmラジエターの水冷ユニットと高冷却ケースの組み合わせは、だいぶ余裕をもってCore i9-12900Kを冷却できていることが分かった。
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続いてDirectX 12に対応した「3DMark」の4Kストレステスト「Time Spy Extreme Stress Test」を動作させ、3連ファンクーラーを装備するGeForce RTX 3080 Tiの冷却性能を見ていこう。
冷却ファンの稼働率は60%程度で、動作温度は概ね70~75℃程度を維持するよう設計されているようだ。ホットスポット温度も80℃未満に留まっており、許容範囲内でスマートに冷却を行っている様子がうかがえる。CPU・GPUともに、「arkhive GC-I9G38R」にとって冷却の不安はまったくないことが分かった。
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もっとも「Torrent」が高エアフロー志向のPCケースなこともあり、高負荷時の騒音はなかなかのレベル。「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」の場合は40dBA台半ばに留まった一方で、「CINEBENCH」実行中の騒音値は50dBA以上に達していた。これはフロントにマウントされたラジエターファンの音がダイレクトに聞こえてくるためで、高いPC性能を得るためのトレードオフと言える。
それでは最後に「arkhive GC-I9G38R」の消費電力をチェックしつつ、検証を締めくくろう。ストレステストには「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を使用し、実行中の最高値を高負荷時、起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時として計測を行っている。
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アイドル時は70W未満とかなり大人しめで、ウルトラハイエンド構成でも軽めのタスクであればそれ相応の消費電力だ。高負荷時は最大472Wに達しているものの、搭載している860Wの電源ユニットにとってみれば負荷54%程度。最も変換効率に有利な50%に近く、高効率な動作が期待できる。長期間の運用で多少電源ユニットがヘタったとしても、マージンは十分だろう。
Core i9-12900KとGeForce RTX 3080 Ti、それらを最新のDDR5環境で組むという、“憧れの構成”による分かりやすい最強マシン。部材の安定供給が前提になるBTOでは現状難しい組み合わせなわけだが、今回検証を行った「arkhive GC-I9G38R」は、その数少ない選択肢だ。しかもCore i9-12900Kの特性を踏まえたパーツチョイスにより、ピーク性能を長時間引き出せる設計になっている。こうしたエンスージアストも納得のBTOマシンを提供できるのは、老舗のプロショップたるパソコンSHOPアークならではだろう。
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こだわりの冷却の一端を担う、優れたビジュアルの高エアフローケースをはじめ、標準仕様の段階から隙なしの構成。ウルトラハイエンド仕様の宿命として動作音はそれなりだが、負荷のかかるプレイ中はゲームサウンドが打ち消してくれるはず。PCケースが「Torrent」一択であることからも、あくまでパフォーマンスを重視するユーザー向けであることは明らかだ。
これらの組み込みを長く自作に親しんだベテランが手がけ、完璧なマシンに仕上げてくれる。いま旬なパーツを合体させた最強マシンとして、その貫禄のコストを上回る満足度が得られる一台だ。
協力:株式会社アーク(パソコンSHOPアーク)