エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1105
2022.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に「315」のストレージ収納力を見ていこう。ここ数年で大きく変化したデータの読み書きを取り巻く環境は、PCケース設計にも色濃く反映されている。オンラインストレージや各クラウドサービス等の普及により、以前のような複数のドライブベイは必要とされなくなった。もちろんストレージ自体の大容量化と容量単価も大きな要因だろう。「315」も例外ではなく、必要最低限の装備に留められているが、既存モデルの「303」しかりで、不満の声はあまり聞こえてこない。
「315」の右背面フロント寄りには、2枚のトレイが1本のハンドスクリューで固定されている。ここは3.5インチHDD増設スペースで、トレイには2.5インチSSD搭載用の穴も用意されており、最大2台のストレージが搭載できる。ツールフリー等の仕掛けもないシンプルな装備で、裏配線スペースを有効利用した設計のひとつと言えるだろう。
トレイは黒塗装されたスチール製で、In Winのロゴもプレス済み。2.5インチSSD、3.5インチHDD共に固定は背面からのネジ留め式が採用されている |
上段3.5インチHDD、下段2.5インチSSDの搭載例。コネクタは右方向に設置する事になる |
2箇所目のストレージ搭載スペースは、左側からアクセスしたマザーボードトレイ右手のエリア。裏配線スペースを利用した搭載スペースの真裏にあたる場所に、2台分の2.5インチSSD増設用トレイが用意されている。ちなみに「303」も同じ仕様だが、「315」では上段のトレイが左手の空きスペースに移設できなくなっている。僅かな違いだが、気になる人は見比べて頂ければと思う。
マザーボードトレイ右手の前方寄り縦列に配置された、2.5インチSSD増設用トレイ。共通部品と思いきや「303」とは仕様が異なる事が分かった |
こちらのトレイは2.5インチ専用。SSDの固定は底面4箇所のネジ留めとシンプル仕様 |
ハンドスクリューは上段が上部、下段が下部。よってコネクタは向かい合わせで固定する事になる |
ボトムカバーが無いだけに、拡張スロットは本体の最も下部のエリアに位置する。合計7段の拡張スロット金具は、通気孔を設け、各々はハンドスクリューで内部より固定されていた。なおレイアウトは水平スロットのみで、流行の垂直スロットの用意はない。搭載できそうなスペースはあるものの、そのスタイルにはあまり積極的ではないようだ。なおグラフィックスカードの有効スペースは長さ350mmまで。最終セッションの搭載テストでは、改めて周辺クリアランスをチェックしてみたい。
インチネジで固定された拡張スロット金具。境界線に枠が無いブリッジレス仕様で、僅かに異なる拡張スロット金具の厚みや形状を微調整できるメリットがある |
電源ユニットをトップマウントにする設計は、In Winが得意とする手法。それも縦置きにするあたりはユニークで、それ相応の意図が感じられる。右側面から出し入れできる搭載スペースは、奥行き200mmまでをサポート。増設したトップファンとの位置関係など、後ほどきちんとチェックする必要がありそうだ。