エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1105
2022.02.11 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次に作業するのは、グラフィックスカードだ。350mmまでの有効スペースにGIGABYTE「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」を用意。長さ319mmのハイエンドグラフィックスカードは、中~大型PCケース「315」には遜色ないチョイスだろう。
固定方法はシンプルに、背面拡張スロットにインチネジで締め付けるだけ。そして「315」付属品のVGAサポートステイを底面固定にて装着を試みた。
まずグラフィックスカードの搭載作業で別段注意事項もなく、難なく完了。カード末端からフロントパネルまでは実測で約140mmの空きスペースを残した。額面通り、ハイエンド志向の大型グラフィックスカードも余裕をもって搭載できる事が分かった。
なお、VGAサポートステイについては、グラフィックスカードが大型だけに搭載後の装着がオススメ。マニュアルには3通りの設置方法が紹介されている中、底面4つのネジ穴を使ってインチネジで台座を固定。VGAクーラー搭載の冷却ファンに干渉しない場所を探し、都合のいい箇所を下支えする格好で装着している。もちろん効果はアリで、重量級グラフィックスカードの垂れ下がりを防止し、バスインターフェイスへの負担も軽減できるはず。せっかくの装備品だけに、積極的に活用してほしい。
「積極的に活用してほしい」とは言え、GIGABYTE「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」のウリであるLCD EDGE VIEWがステイに被るため、表示が隠れてしまう事態に。キチンと魅せたいなら、下支えするステイのみをマザーボードトレイ面に固定する方法もある |
厚さ70mmのGIGABYTE「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」を搭載した場合、ボトム面までの空きスペースは実測で約55mm。ハイエンドグラフィックスカードをチョイスした場合、ボトム面にラジエター(+冷却ファン)を搭載すると、かなりタイトな状態になりそう |
「315」は昨年11月に発売された新製品ながら、さすがに熟成されたIn Win独自の設計ポリシーが詰め込まれた筐体だけあって、既に完成されている。改良の余地を言ったところで、今から内部をガラリと変える事もないだろうが、実際にこれといって問題点はない。約5年半前に触れた「303」を思い出しながらの作業だったが、良いものは変わらずといったところだろう。当時から随分と構成パーツは進化したが、遜色なく今でも通用する筐体は、さすがにIn Winブランドだけのことはある。
左サイドパネルをはじめ、フロントおよびトップの半分に強化ガラスを使っているあたり、主たるコンセプトは”魅せるPCケース”に間違いない。すっかり出尽くした感も漂いつつ、相変わらず新製品の主流は揺るがない。検証でも発光ファンや光るヘッドを備えたオールインワン型水冷ユニットや、派手な演出が特徴でもあるマザーボードをチョイス。コンセプトに見合うPCを組み上げたが、筆者個人的に所有するなら敢えて発光パーツを避けるだろう。
「315」の最大のアピールポイントは内部設計にも優る、外観の美しさにある。アルマイト処理済みのアルミニウム素材と、透明な強化ガラス素材が約105mmずつに等分してデザインされ、具合よく釣り合いが取れた主デザイン。完成後は見る角度によって内部の様子が窺えるくらいがほどよく、ダイヤモンドカットが施されたアルミニウムのエッジが、一直線に後方まで伸びる演出も上手い。これらを楽しむために、敢えて主流の発光パーツにはおとなしくしてもらい、計算されたデザインを存分に楽しみたい。
協力:In Win Development
株式会社アユート