エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1107
2022.02.18 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
そこまで極端ではないが、いわゆる蒲鉾形のトップパネルはプラスチック製。エッジはカットされ、ホワイト色なら視覚的にやや膨張しているようにも見える。実際には山なりのカーブでななく、中央に向かって緩やかに丸みを帯びたイメージ。前方のスイッチ&アクセスポート以外に装備品はなく、通気孔すら設けられていない。
シャーシへの固定はツールフリー式を採用。左右にはシャーシ側の穴に掛けるフックが複数設けられ、背面のラッチ機構によりスライドロックする仕組み。ここでもメンテナンス性と組み込み易さが考慮されている。
背面上部左右にもラッチ機構を装備。プラスチック製のトップカバー裏面はハニカム状にデザインされ、パネル自体の強度を付けている |
トップパネルを取り外したシャーシ部の様子。仕掛け満載の設計は、内部構造セッションで詳しく解説しよう |
White TG Clear Tintの左サイドパネルには、3mm厚の強化ガラスが標準で装備されている。Torrent Compactのラインナップ中、ホワイト色は1択となり、両サイドがソリッドパネルモデルは用意されていない。よってホワイトをチョイスするという事は、自ずと魅せるPCの構築が前提というワケだ。
内部の視認性が高いクリアな強化ガラスは、実測で幅約390mm、高さは約380mm。上下辺にはスチール製の補強プレート(枠)を装着し、下部はシャーシ側に掛けるヒンジ、上部にはツールフリーで固定できる突起が2つ確認できる。
固定にはツールフリーのラッチ機構を採用。両サイドパネル共に後方上部にはリリース用の”突起”がデザインされている |
右サイドパネルは密閉されたソリッドパネル仕様。通気孔や防音機構などの装備はないが、左サイドパネル同様のラッチ機構を備え、ツールフリーで開閉ができるようになっている。なおパネルサイズは左サイドパネル同様に実測で幅約390mm、高さは約380mmだった。
両サイドパネルを閉じた状態で上部中央を見ると、ネジ穴が確認できる。これは輸送時や簡単なセキュリティ用途にも役立つ固定用ネジ穴。任意でインチネジ留めができる仕掛け |
本体背面に回り、リアパネルデザインを見ておこう。まず上段の最も大きな開口部が、トップマウントの電源ユニット搭載スペース、中段左手のカットはマザーボードのバックパネル用。その右手から下部はハニカム状の通気孔仕様で、フロントのグリル調デザインと同じく、Torrent Compactが高エアフロー志向のPCケースである事を裏付けている。なお上部は冷却ファンの搭載スペースで、出荷時は空き状態。そして下段左手は拡張スロットが積み重ねられている。
ハニカム状の通気孔が大きな特徴だが、これを除くと電源ユニットを上部に固定するクラシカルなスタイルである事が分かる |
本体をひっくり返し、ボトムパネルデザインをチェックする。なおここではプラスチック製のトップパネルは取り外している。若干湾曲しているため据わりが悪いことに加え、なにより傷が付いたり破損する可能性も無きにしもあらずだ。注意を払いながら底面を見ると、ほぼ全面が防塵フィルタに覆われている事が分かる。シャーシ底面は通気孔というよりも半分は開口部で、普段目に見えない部分にも高エアフローの性格が隠されていた。
次に台座部分に注目すると、前後のプラスチック製パーツはネジ留めによる着脱式で、冷却ファン増設などの作業時に取り外す事ができる。また設置面の4箇所には滑り止め用のゴムが装着済み。実測で幅約15mm、長さ約20mmで、多少の振動を吸収する効果もあるだろう。なお台座の高さは35mm。設置面との隙間を作り上げることで、底面の通気性を高めている。
台座部分もじっくり見れば、手を抜くこと無くデザインされている事が分かる。なお前方にはシリアルナンバーがプリントされた個体シールが貼り付けられていた |