エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1108
2022.02.21 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ATXやMicroATXの製品に比べると基板スペースが極端に制限されるMini-ITXフォームファクタ。「Z690 Phantom Gaming-ITX/TB4」に実装されている電源回路は11フェーズと、Intel Z690チップセットとしてはミドルレンジクラス並に抑えられている。しかし、Dr.MOSよりもさらに高効率な「105A SPS」をはじめ、「プレミアムチョークコイル」や「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」など厳選した高品質なパーツを組み合わせることで、ハイエンドモデルと遜色ない安定した出力を可能にしている。
「Digi Power Design」による11フェーズの電源回路を搭載。チョークコイルやコンデンサは歪みなく整然と配置されている |
電源回路に実装されているMOSFET、フェライトコアチョーク、コンデンサはいずれも厳選された最高品質なものを採用 |
基板裏面を確認すると、CPUソケット周りにはタンタルコンデンサが実装されていた |
そして電源回路の冷却には、ヒートパイプで連結された2ブロック構造のアルミニウムヒートシンクを採用し、リアインターフェイス側のヒートシンクにはアクティブファンを搭載。さらに熱伝導率7W/mKの高性能サーマルパッドや、放熱性に優れる2オンス銅層を備えた10層PCBを組み合わせることで、高負荷時の温度上昇を抑えているワケだ。
リアインターフェイスカバー一体型のヒートシンクとCPUソケット上側のヒートシンクはφ6mmのヒートパイプで連結されている |
MOSFETとフェライトコアチョークの接触部分には、熱伝導率7W/mKの高性能サーマルパッドを貼り付け。またリアインターフェイス側のヒートシンクには超小型ファンを搭載 |
「Z690 Phantom Gaming-ITX/TB4」が採用するチップセットは、第12世代Intel Coreプロセッサ向け最上位のIntel Z690だ。CPUのオーバークロックやPCI-Expressレーン分割(x16/x4またはx8/x8/x4)機能を備え、USB3.2 Gen.2×2や2.5ギガビットLAN、Intel Wi-Fi 6Eなどの最新インターフェイスに対応する。またCPUとの接続には帯域幅を従来の2倍に拡張したDMI4.0x8を採用し、ボトルネックが解消されているのも特徴だ。
「Hyper M.2」スロットの下に実装されたIntel Z690チップセット。TDPは6Wで、パッケージサイズは28x25mm |