エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1108
2022.02.21 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
基板の表面と裏面にそれぞれ1基ずつ「Hyper M.2」を搭載する「Z690 Phantom Gaming-ITX/TB4」。さらに表面のスロットには、オリジナルヒートシンク「フルカバーM.2ヒートシンク」が実装されている。本項ではその冷却性能を確認するため、CFD「PG4VNZ」シリーズの2TBモデルを使い、高負荷テストを実施することにした。ストレステストは「CrystalDiskMark 8.0.4」をデータサイズ64GiB、テスト回数9回に設定し、3回連続で実行。その温度を「AIDA64」で、転送速度の推移を「HWiNFO64」を使い計測している。
ヒートシンクなし:「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 | ヒートシンク装着時:「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果 |
スペースの制限もあり比較的コンパクトなヒートシンクのため、高負荷時の温度は最高68℃でやや高め。しかし、転送速度のグラフを見ると分かる通り、サーマルスロットリングと思われる症状は一度もなく、読込・書込ともほぼ公称値通りのパフォーマンスを発揮している。一方、ヒートシンクなしの状態ではテスト開始直後から一気に温度は74℃まで上昇する。その後はサーマルスロットリングによって1,600MB/sec前後まで転送速度が低下し、一度も転送速度が戻ることなくテストが終了する。高速なPCI-Express4.0(x4)SSDを使う場合は、必ずヒートシンクが標準装備されている表面の「Hyper M.2」スロットを使うようにしよう。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ結果 | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ結果 |
続いてサーモグラフィの結果を確認していこう。ヒートシンクなしの状態では、コントローラ付近の温度は最高で約100℃まで上昇しており、正直常用はためらわれる結果だった。またヒートシンク搭載時はコントローラ部分が最も温度が高く、距離が離れるにつれて温度が低くなり、放熱が効率良く行われていることが確認できる。