エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1110
2022.02.26 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
ここからは「Optix MAG281URF」を実際に動作させながらパフォーマンスをチェックしていく。検証用PCとして用意したのは、以前詳細検証をお届けしたMSIのゲーミングデスクトップPC「Aegis Ti5 10TE-018JP」。基本構成はIntel Z490マザーボードに、10コア20スレッドのIntel Core i9-10900K、GeForce RTX 3080、メインメモリは64GB(32GB×2)を搭載する。最高リフレッシュレートである144Hzを4K解像度で出力して動作をチェックするには申し分のないハイエンドグラフィックスカードを採用しており、エルミタのMSI液晶レビューではお馴染みのPCだ。
斬新なデザインの本体を採用する「Aegis Ti5 10TE-018JP」。グラフィックスカードにはゲームからクリエイティブな作業も余裕でこなすGeForce RTX 3080を搭載する |
それでは電源を入れて「Optix MAG281URF」の映り具合を確認していこう。液晶パネルは4K(3,840×2,160ドット)対応で水平垂直共に178°と視野角変化に強いRAPID IPSだ。さらにsRGB 99%対応の広色域表示やDCI-P3を95.38%カバーしているため、高精彩で豊かな表現が求められるクリエイター向け作業まで幅広いニーズに対応することができる。
最大表示色は約10億7,300万色、ピーク時の輝度は400cd/m2のDisplayHDR 400に準拠しており視認性も良好。近めから遠めまで、ディスプレイの距離を変えて確認したが、画面全体で均一性は高くゲームからウェブブラウジング、動画鑑賞と何でもこなしてくれる。
なお、リフレッシュレートを144Hzに設定し動作時の消費電力をワットチェッカーで計測したところ、PC起動後10分間放置したアイドル時、ゲームプレイ時、輝度をデフォルトの70%から100%に変更した時、いずれも32Wと変化は確認できなかった。
「Optix MAG281URF」は48Gbpsの広帯域幅で4K/120Hz出力に対応するHDMI 2.1準拠のポートを2つ備える。これにより、PS5やXbox Series Xといった最新のゲーミングコンソールで楽しめるネイティブ4K/120Hzサポートが大きなセールスポイントだ。
PS5で120Hzで動作させるためには、設定メニューからゲームプリセットの項目で「パフォーマンス優先」にする必要がある。設定方法の詳細は下記の動画を参照していただきたいが、これにより対応するゲームタイトルで120FPSの出力が可能となり、なめらかなゲームを楽しむことができる。
また、HDMIで接続した機器間で相互連動するHDMI CECにも対応している。液晶TVでは当たり前の機能となりつつあるが、接続したデバイスが連動起動する便利さは一度経験すると手放せない機能のひとつだ。
続いて、実際のゲームで有効な機能として使える補正機能のひとつ「ナイトビジョン」の効果を見ていこう。機能は「オフ」と自動で効果を調整してくれる「A.I.」のほか、効果のレベルに応じて「通常」から「最も強い」の5段階が設定できる。右手を伸ばすとすぐに届く位置にある背面のNaviキーから簡単に変更可能なので、プレイするゲームやコンテンツによって設定するといいだろう。
実際に動作させた様子は以下の動画に詳しいが、「フォートナイト」や「Apex Legend」などバトロワ系なら「最も強い」にすると階段の下や建物内部で敵を見つけやすくなったと感じることが多く、有用な機能として使えそう。ゲームの世界観や雰囲気も大切にしたい「Ghost of Tsushima Director’s Cut」などアクションアドベンチャー系やMMO RPGなら、お任せ設定の「A.I.」が見やすいと感じた。
4K解像度(3,840×2,160)を、リフレッシュレート144Hzで動作させてその画質をチェックしていく。リフレッシュレートの違いを体感するために、今回もレースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/144Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではデジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影した。
ご覧の通り、リフレッシュレートが高くなるにつれ画面更新の間隔が短くなり、カクつきの少ない滑らかな描画となるのが一目で分かる。さらにRAPID IPSは、応答性を追求したこれまでのTN方式、あるいはそれ以上に高速で、極めてシャープな画質は一度使ったら癖になるほど出来がいい。
144Hz駆動はもちろんのこと、60Hzのリフレッシュレートにおいてもその低残像な画質は健在。60Hzではわずかにオーバーシュートが確認できるが、スーパースローでも残像感はごくわずかだ。