エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1112
2022.03.02 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
Intel Z690マザーボードのハイエンドモデルと比較しても遜色のない堅牢な電源回路に加え、強力な冷却システムを搭載している「MAG H670 TOMAHAWK WIFI DDR4」。約100Wも消費電力が上昇する「Water Cooler」でも動作に全く問題なかったが、電源回路の温度はどの程度上昇しているのか気になるところ。そこで、テストセッションのラストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の高負荷テストを実施してみることにした。
今回はCPUクーラーにMOSFETファン非搭載のオールインワン型水冷ユニットを搭載する不利な条件にもかかわらず、「Boxed Cooler」で30℃前半、「Water Cooler」でも約40℃で、冷却性能にはまだまだ余力が残されている。そこで、より過酷な状況を想定して、Core i9-12900Kを「Water Cooler」設定で動作させた場合でも計測をしてみることにした。
第12世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-12900Kでも負荷テストを実施した |
Package Powerは250W強、システム消費電力は400W近くまで上昇したが、MOSFETの温度は最高でも55℃で頭打ち。「MAG H670 TOMAHAWK WIFI DDR4」の電源回路に実装されているヒートシンクの性能は非常に優秀で、第12世代Intel CoreプロセッサのどのCPUを選択しても冷却性能が不足する心配はないだろう。
今回は、撮って出しレビュー初登場となるIntel H670を搭載した「MAG H670 TOMAHAWK WIFI DDR4」の検証を進めてきた。
同時期にリリースされたミドルレンジチップセットIntel B660では、Intel Z690からDMIレーン数やインターフェイスもほぼ半分に削減されるなどかなり制限が多いのに対して、Intel H670ではCPUのオーバークロック機能を除けばその違いはごくわずか。最近ではCPU自体のブースト機能が優秀になり、Kシリーズを購入しながら定格で運用している人も多いことを考慮すれば、実際の運用でチップセットの差を感じるシーンはほとんどないだろう。
また堅牢な電源回路や強力な冷却機構を備える「MAG H670 TOMAHAWK WIFI DDR4」であれば、消費電力が非常に多いCore i9-12900Kとの組み合わせでも電力制限を解除した運用が可能。さらに「CPU Cooler Tuning」を使うことでCore i7-12700のようなNon-Kモデルでも、その性能を限界まで引き出すことができるのは大きなメリットだ。
高速なインターフェイスやネットワークも充実している「MAG H670 TOMAHAWK WIFI DDR4」は、Intel Z690のハイエンドマザーボードの代替としても十分な実力を備えている。そして敢えて欲を言うのであれば、最近入手性が改善してきた最新メモリDDR5に対応したバリエーションモデルの登場にもぜひ期待したい。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社