エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1119
2022.03.25 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
Deepcool「PQ1000M」(型番:R-PQA00M-FA0B-JP) 市場想定売価税込21,800円(2021年12月17日発売) 製品情報(Deepcool)(株式会社アユート) |
今回電源ユニットレビューの主役として取り上げるのは、Deepcoolから昨年末に発売された「PQ-M」シリーズだ。システム負荷50%で電力変換効率90%を発揮する80PLUS GOLD認証を取得、ケーブルはすべてを着脱式としたフルモジュラー仕様という、メインストリーム向け定番の構成。価格もまさに中堅どころといったグレードで、容量は750W/850W/1000Wの3モデルをラインナップする。ハイエンド寄りのシステムに搭載する、手頃で堅実な電源ユニットを求める層がターゲットというわけだ。
Deepcoolによるメインストリーム向け電源ユニットの新シリーズ。市場において最も競争の激しいクラスに投入された注目モデルだ |
Deepcoolらしいハイセンスなデザインの筐体は、奥行きを140mmに抑えたコンパクト設計。モジュラー式のケーブルはすべてが扱いやすいフラット形状になっている。
そしてユニット内部には、高温下でも安定した動作を可能にする日本メーカー製の105℃コンデンサを搭載。さらにモジュラーボードも信号ノイズを軽減するため、ケーブルレスの「ボードプラットフォーム構造」が採用されている。なお主要パーツの動作に用いられる+12Vは、最大83A(1000Wモデル)のシングルレーン設計。オーバークロックやハイエンドグラフィックスカードの運用など、大出力を要求される環境に適した仕様だ。
メインストリーム向けの電源ユニットに求められる信頼性については、押さえるべきツボをしっかり押さえた設計と言える。実際に内部構造がどうなっているかは、後ほど分解セッションにて詳しくチェックしていこう。
茶箱にエメラルドグリーンのコーポレートカラーを差し色に加えた、Deepcoolらしいパッケージ。基本仕様など、必要な情報は裏面に網羅されている |
また、冷却機構には静音かつ高耐久な120mm径のFDB(Fluid Dynamic Bearing/流体動圧軸受)ファンを搭載。低負荷時にファンが自動停止する「ファンレスモード(サイレントモード)」に対応しており、このセミファンレス機能は背面の「HYBRID MODE」ボタンでON/OFFを切り替えることができる。音に気を遣うユーザーに対してはもちろん、常時回転による安定した冷却を求める向きにも配慮した設計というわけだ。
そのほか、OPP(過負荷保護回路)、OVP(過電圧保護回路)、SCP(短絡回路保護)、OTP(過温度保護回路)、OCP(過電流保護回路)などの各種保護回路を搭載。メーカーサポートはクラス最長の10年保証が提供される。
なお今回は、国内正規代理店の株式会社アユートより1000Wモデルの「PQ1000M」を借り受け、検証を行っていく。次項からは実際に本体をパッケージから取り出し、外観からその内部に至るまでを順番にチェックしていきたい。