エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1119
2022.03.25 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
検証のトップバッターは、定番ストレステストとして知られる「OCCT」の最新バージョン「OCCT 10.1.5」だ。CPUとグラフィックスカードの両方に強力な負荷をかける「電源」プリセットを選択、テスト時間は30分に指定している。
なお、Core i7-12700KとGeForce RTX 3090を搭載するシステムの消費電力は、フルロード時に最大729Wをマーク。一般的に電源ユニットが最大効率を発揮するのは負荷50%前後だが、今回は70%以上の大きな負荷がかかっていた。
システムの主要な動作に用いられる12Vの電圧変動から、安定性の度合いを確かめてみよう。主電源のATX12Vは、定格ピタリの12.00Vからスタートして、負荷がかかるごとに階段状に0.01Vずつ上昇。12.03Vで安定した状態でテストを終えている。
CPU補助電源のEPS12Vも概ね同様の傾向だが、ATXより上の12.07Vまで上昇。もう一方のPCI-Express補助電源は定格値をやや割ったラインで動作するシーンがあるものの、それは誤差と言っていいレベルだ。
一般的にATX電源の+12Vは±5%の変動(+11.4~12.6V)が許容されていることを考慮すれば、はるかに微細な変動幅に収まっている。
続く負荷テストには、主に3D描画シーンにおける挙動を確認するため、定番3Dベンチマークテスト「3DMark」に搭載されている4Kストレステストの「Time Spy Extreme Stress Test」を動作させる。テスト時間は先ほど同様に30分間に達するまで、連続で実行した。
なおテスト中の消費電力は、「OCCT」実行時からやや落ち着いて最大505Wに。容量1000Wの電源ユニットとしては、理想的な負荷がかかっていたことになる。
ATX12Vはテスト前半で12.00Vと12.01V、中盤移行に12.01Vと12.02Vを繰り返すといったパターン。全体的に12.01Vを軸に非常に安定した動作を見せている。
そしてやはりEPS12Vは、ATXよりやや高めの数値で推移。テスト前半に小刻みな変動があるのを除けば、概ね12.05Vを軸に時折12.01Vに落ちるといった一定のパターンを繰り返している。
もう一方のPCI-Expressがやや12Vを下回る傾向も同様で、ほとんどのシーンで11.96Vを軸に時折12.00Vにタッチするといったパターン。全体の変動幅はごくわずかで、非常に安定した挙動を示している。
ここからは、よりゲームプレイ時に近い挙動を再現するため、長時間のループ実行に対応した「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ」の公式ベンチマークを動作させる。グラフィックス設定は「最高品質」、解像度は3,840×2,160ドットにセットし、30分間連続でテストを実行した。
ちなみにベンチマーク中の消費電力は最大493W。「3DMark」よりやや低く、システム負荷は電源ユニットにとって理想的な50%前後だった。
まずATX12Vから見ていくと、ほぼテストを通して12.01Vで動作しており、グラフもフラットで非常に安定しているのがよく分かる。また、EPS12Vはこれまでで最も忙しく波形が動いているように見えて、変動幅はわずか0.05Vにすぎない。PCI-Expressも概ね11.96Vを軸に時折11.98Vにタッチするというパターンで、全体の変動幅は0.03Vと極小。全体的に一定の範囲内で規則正しく動作しているのが分かるだろう。