エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1123
2022.04.05 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは比較的処理の短い「CINEBENCH R15」を使い、瞬間的にクロックが引き上げられたブースト状態の最高パフォーマンスを計測していこう。
まず1つのコアに負荷が集中するシングルコアテストの結果をみていこう。もともと第12世代Intel Coreプロセッサが得意としているテストだが、これまでの最速モデルだったCore i9-12900Kをさらに約4%上回り、エルミタレビューでは初めて300cbの大台を達成する素晴らしい結果。最高クロックが5.20GHzから5.50GHzへと引き上げられた効果がしっかりとスコアにも反映されている。またマルチコアテストのスコアを確認するとCore i9-12900Kから約5%スコアが向上。Ryzen 9 5950Xとの差も1%未満しかなく、スレッド数で8スレッド上回るCPUとほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。
続いて、より負荷が高く、テスト時間が長いレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
Core i9-12900Kとの比較ではシングルコアテストで約6%、マルチコアテストで約5%上回り、やはりクロックが引き上げられた効果は確実にある。またRyzen 9 5950Xとの比較では、シングルコアテストはもちろん、「CINEBENCH R15」ではほぼ同等だったマルチコアテストでも約9%上回る。これは第12世代Intel Coreプロセッサでは電源管理機構が改良され、マザーボードの電源供給や冷却性能に問題がない限り、Core i9-12900KS/Core i9-12900Kでは長時間ブースト状態を維持できるのに対して、Ryzen 9 5950Xではテスト途中からブースト状態が解除され、動作クロックが低下してしまうためだ。
次に、メニーコアCPUへの最適化がより進んでいる最新レンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストのスコアはCore i9-12900Kとの比較で約5%、Ryzen 9 5950Xとの比較では約28%と大きな差がついた。またマルチコアテストでもCore i9-12900Kとの比較で約4%、Ryzen 9 5950Xとの比較では約9%上回り、メインストリーム向けのCPUとしては間違いなく現行最高峰のパフォーマンスを発揮する。
次に「V-Ray」ベースのレンダリング系ベンチマーク「V-Ray 5 Benchmark」のスコアを確認していこう。
テスト時間が1分間と短く、Ryzenシリーズでもブースト状態が維持できるテストだが、Ryzen 9 5950Xとの差は約2%とわずか。またCore i9-12900Kとの比較では約5%スコアがアップしており、「V-Ray」によるレンダリングでもクロックアップの効果は確実にあるようだ。
続いて「Blender 3.1.0」の結果も確認していこう。レンダリングにはいずれもCPUを使用し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を選択している。
Core i9-12900Kと比較するとすべてのサンプルで約4%スコアが上昇しており、やはりクロックアップによる影響は確実にある。またRyzen 9 5950Xとの比較でも「junkshop」では約18%の差がついているものの、「monster」では約2%、「classroom」では1%未満の差に留まり、16コアのうち半分は効率を重視したEコアで、さらにスレッド数も8スレッド分少ないにも関わらずCore i9-12900KSはマルチスレッド処理がかなり高速であることがわかる。