エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1123
2022.04.05 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは消費電力とCPU温度を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23」実行時と「OBS Studio配信」時の最高値を採用している。
第12世代Intel Coreシリーズでは、長期間ブースト状態を維持できるようになったことからRyzenシリーズに比べると消費電力が高めなのはご承知の通り。またCore i9-12900Kと比較すると「CINEBENCH R23」実行時で約50W、「OBS Studio配信」時でも約40W高く、消費電力については確実に上昇している。
またCPUの温度を確認するとCore i9-12900Kからさらに13℃上昇しており、360mmラジエターでもギリギリといったところ。Core i9-12900KSの性能を最大限に引き出すためには、CPU以外の構成パーツも厳選したものを使用する必要がある。
Intelの”SPECIAL EDITION”としては約2年半振りの新作となったCore i9-12900KS。動作クロックが最高5.50GHzへと引き上げられたことで、もともと得意だったシングルスレッド処理についてはまさに異次元のパフォーマンスを発揮する。さらにマルチスレッド処理でも、より実運用に近い、長時間負荷がかかる処理を中心にRyzen 9 5950Xを上回り、まさに“世界最速クラスのデスクトップPC向けプロセッサー”の名に恥じない性能を備えているようだ。
そのトレードオフとして消費電力や発熱も増加。その能力を十全に発揮するためには冷却システムや、マザーボード、電源ユニットなど他のパーツ選択にもこれまで以上に気を配る必要があり、そのハードルは決して低くない。とは言え、そもそも”SPECIAL EDITION”をチョイスするユーザーなら、そういったことも織り込み済みのはず。決して万人おすすめできる製品ではないが、とにかく最高峰のパフォーマンスを求めるユーザーにはまさに待望のアイテムになるだろう。
協力:Intel Corporation