エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1125
2022.04.09 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最後にストレージの搭載手順を確認しておこう。Torrent Nanoの搭載スペースは計2箇所。トップカバーを外してアクセスする2.5/3.5インチドライブトレイは、3.5インチHDDが唯一搭載できる場所。トレイには出荷時より両サイドにゴムブッシュが装着され、3.5” Drive Screwでネジ留めを行う。また底面(裏面)には2.5インチSSDが搭載可能。底面4箇所のネジ留め式で、両者を搭載させるにはSSD→HDDの順に固定する。
2.5/3.5インチドライブトレイはデフォルト位置から前寄りに40mm移動可能。隣接する電源ユニットのケーブルとは折り合いを付けて上手に共存させる必要がある |
2.5インチSSDを2台設置したい人もいるだろう。その場合、ゴムブッシュをトレイ底面に移動させ、SSD Friction Screwを使い上面に固定。底面(裏面)はネジ留めをすることで、両面2.5インチSSD仕様にもできる。なおコネクタは右側面方向に揃えて固定する事になる。
2.5/3.5インチドライブトレイ底面に2.5インチSSDを固定する場合は、側面のゴムブッシュを底面に移動し、ピン状のSSD Friction ScrewをSSD底面に固定。これをゴムブッシュに挿し込むだけで固定は完了する |
CPUクーラーメンテナンスホールに対して覆いかぶさるように固定する2.5インチSSD専用トレイは、コネクタを下向きに2.5インチSSDが2台搭載できる。固定方法はシンプルで、背面4箇所のネジ留め式。Mini-ITX/DTX規格対応のマザーボードトレイは面積が限られているものの、公称29mmの裏配線スペースが十分かつ無理なく有効活用できている。
マザーボードのバックパネルに干渉しないよう、僅かに段差が設けられた2.5インチSSD専用トレイ。ダーク色の強化ガラス製サイドパネルからはSSDの銘柄が露出される |
Mini-ITX規格マザーボードの豊富な選択肢に比例し、対応PCケースも数多くのモデルが流通している。設置場所が机上である事が多いためか、デザイン性を前面にアピールする製品が目立ち、ライバル達がひしめくセグメントになっている。
ミドルタワーPCケースでは複数のモデルが常に人気の上位に位置するFractalにあっては、Mini-ITX規格のミニPCも大きなマーケットであり、2020年5月にリリースされた「Era ITX」は近ごろの同社における成功例だろう。DIY水冷に特化した設計の「Define Nano S」も興味深い存在だが、恐らく本命は「Core 500」に置き換わるようなCube型PCケースではなかろうか。
そんな要件にも適うTorrent Nanoは、高エアフロー志向の意欲作。既に自作PC市場からは受け入れられているフロントグリル、最低限に留まらない拡張性、さらにMini-DTX対応にすることでCubeタイプのドッシリ型よりもスマートなミニタワー型外観デザインなど、多くの要素が取り入れられている。Fractalの強力なブランド力により、多くの選択肢の中に埋もれる事はないだろう。あとは一定数存在する、ミニPCマニア達の御眼鏡にかなうか否か。その結果を知るにはもう少し時間が掛かりそうだ。
協力:Fractal Design
株式会社アスク