エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1125
2022.04.09 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
2つ目の冷却ファン増設スペースであるボトム面には、120mmまたは140mmファンが2基増設可能。ラジエターも最大240/280mmサイズが固定できる。外観セッションでも確認したように、ボトム面はほぼ全面が防塵フィルタでカバーされ、冷却ファンの妨げにならないよう、大きな開口部が設けられていた。
ただフロントに180mmファンが標準装備され、前から後方へ水平方向に風が流れている。さらに多くの人はグラフィックスカードを搭載するハズなので、直下に冷却ファンを増設する事にやや疑問をもつ向きもあるだろう。あくまで任意だが、冷却ファンを増設するなら外排気方向に設置する手もあるだろう。
搭載テストには、Fractal Design「Aspect 12 RGB PWM Black Frame」(型番:FD-F-AS1-1205)を用意。フロントパネル、スライド着脱式防塵フィルタ、さらにプラスチック製の台座を取り外し、底面のネジ穴(スリット)に2基の冷却ファンをネジ留めしてみた。
左右各2本のネジでシャーシに固定されている、プラスチック製の台座(前・後)。ボトムファン固定用のネジ穴を全て露出させるには、一旦取り外す必要あり。もちろんスライド着脱式の防塵フィルタも外しての作業になる |
このように高エアフローを謳うTorrentシリーズとあって、最も小型な筐体ながら複数の冷却ファンが増設できる。しかし他のTorrentシリーズが標準で装備するNexus 9P Slim Fan Hubは、Torrent Nanoだけ装備されていない。ほとんどのMini-ITXマザーボードは実装するファンコネクタ数が限られている。もしコンセプトにならい、たくさんの冷却ファン(およびCPUクーラー)を搭載するなら、分岐ケーブル等を予め用意しておくといいだろう。
背面にあるハニカム状の通気孔に紛れるように、120mmファン増設用のネジ穴4つが用意されている。多くのPCケースでは、筐体内部の熱を常時排出するリアファンが標準装備されるところだが、Torrentシリーズでは一貫してオプション扱いとして、空きスペースのまま出荷される。ここには120mmファン1基、または120mmサイズラジエターが装着できるようになっていた。
ことミドルタワーPCケースのTorrentまで未装着のままである事に、シリーズのコンセプトを読み取る事ができる。やはりTorrentシリーズ最大のキーポイントは、フロント180mmファンの存在で、前面から取り込んだ外気を大風量で背面に排出する仕組みは、ラックマウントサーバーの考えそのもの。リアファンの空気を排出させる力を必要とせず、内部エアフローは既に完成している。それでも必要であれば、増設できるという保険的要素がリアファンの増設スペースという理解でいいだろう。