エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1129
2022.04.17 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
最後はCore i5-12400とRyzen 5 5600Xを搭載する、それぞれのシステムの消費電力を比較して検証を締めくくろう。起動後10分間何もせず放置した状態をアイドル時、「CINEBENCH R23」と「3DMark Time Spy Extreme Stress Test」を実行した際の最高値を高負荷時として、ワットチェッカーを用いた計測を行った。
アイドル時はともに57W程度で差はなく、CPUに負荷をかけた際はわずかにCore i5-12400、グラフィックス系の負荷が大きい場合はRyzen 5 5600Xがやや上だった。実質的にほぼ優劣はなく、どちらもミドルレンジ向けらしい控えめな消費電力と言える。仕様上の消費電力が250WとされるGeForce RTX 3070を組み合わせても、システム全体で350~360W程度に収まっていることから、電源ユニットへの要求もクラス相応だ。
数ある検証を通じて、Core i5-12400はミドルレンジ向けCPUの定番だったRyzen 5 5600Xと同等、またはそれ以上のパフォーマンスを発揮してくれた。それでいて相場では5,000~6,000円ほども安いわけで、性能以上に圧倒的なコスト勝ちが見込める。これまでやや手薄だった2万円台の市場にフィットするミドルCPUとして、多くの中堅ユーザーにとって魅力的な選択肢になってくれそうだ。
実力を兼ね備えた高コストパフォーマンスCPUをチョイスして、浮いた予算をグラフィックスカードに回したいという向きにも、ちょうどいいモデル。Core i5-12400を軸にIntel B660マザーボードなどの手頃な構成で固めれば、10万円程度で競争力の高いゲーミングマシンを組むことは十分に可能だ。DDR5やPCI-Express5.0といった新規格もサポートし、将来性もバッチリ。いま買うべき“最高のミドルCPU”は、もうコレに決まりだろう。
協力:インテル株式会社