エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1130
2022.04.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD「Ryzen 7 5700X」 市場想定売価税込42,800円(2022年4月15日発売) 製品情報(AMD) |
第12世代Intel Coreプロセッサに比べてやや手薄だった製品ラインナップを強化するべく、AMDのメインストリーム向けCPU「Ryzen 5000」シリーズに約1年半ぶりとなる新モデルが登場した。今回はその中から一番人気として注目を集めている「Ryzen 7 5700X」の検証を進めていく。
今回新たに追加されたのは8コア/16スレッドの「Ryzen 7 5700X」と、6コア/12スレッドの「Ryzen 5 5600」「Ryzen 5 5500」の計3モデル。いずれもTDPは65Wに抑えられている |
これまでRyzen 5000シリーズには、16コア/32スレッドのRyzen 9 5950Xを筆頭に12コア/24スレッドのRyzen 9 5900X、8コア/16スレッドのRyzen 7 5800X、6コア/12スレッドのRyzen 5 5600Xの4モデルがラインナップしていたが、8コア以上の製品(OEM向けは除く)はいずれもTDPが105Wとかなり高め。発熱や消費電力を抑えるため、TDPが65Wの製品を使いたい場合には、Ryzen 5 5600X以外の選択肢がなかった。
Ryzen 5000シリーズの「CCD」は、32MBのL3キャッシュを8基のCPUで共有する構造になっている |
一応Zen 3アーキテクチャを採用するAPU「Ryzen 5000G」シリーズには、TDP 65Wで8コア/16スレッドのRyzen 7 5700Gがあるものの、こちらはL3キャッシュの容量が半分の16MBに削減されている。またPCI-ExpressレーンもPCI-Express3.0までの対応になるため、最新グラフィックスカードやSSDの性能を最大限に発揮できないというデメリットもある。
同じZen 3アーキテクチャを採用するRyzen 5000Gシリーズだが、こちらの「CCD」は16MBのL3キャッシュを8基のCPUで共有する |
一方、今回の主役であるRyzen 7 5700Xは、上位モデルRyzen 7 5800Xから動作クロック(ベースクロック:3.80GHz→3.40GHz/ブーストクロック:4.70GHz→4.60GHz)こそ若干低下しているものの、L3キャッシュの容量は32MBで変わらず。もちろんPCI-Express4.0にも対応しており、インターフェイス面の制限もないことから、その登場を心待ちにしていた人も多いことだろう。
なおその他スペックは、Ryzen 7 5800Xと同等で、L1キャッシュが512KB、L2キャッシュが4MB、メモリはDDR4-3200、プラットフォームはSocket AM4で、チップセットはAMD 500シリーズの他、メーカー独自BIOSでの対応になるがAMD 400/300シリーズでも動作する。