エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1130
2022.04.20 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずはCPUレンダリングベンチマークの定番「CINEBENCH R15」を使い、CPUの最高パフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストの結果を確認すると、最高4.80GHzまで上昇するRyzen 7 5800Xにはさすがに敵わないものの、動作クロックがほぼ同じRyzen 7 5700Gを約7%上回り、L3キャッシュ容量の差がスコアに表れている。またマルチコアテストの結果を確認すると、Ryzen 7 5800Xとはほぼクロック通り、Ryzen 7 5700Gとの比較ではクロックが約300Hz(約9%)低いにも関わらずほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。
「CINEBENCH R15」に比べてメニーコアCPUへの最適化が進んでいるレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」のスコアを確認していこう。
シングルコアテストについては、「CINEBENCH R15」とほぼ同じでRyzen 7 5800Xよりは約3%低いものの、Ryzen 7 5700Gとの比較では約5%高いスコア。そしてマルチコアテストではRyzen 7 5700Gにわずかに逆転されているものの、その差は約1%でクロック差に比べるとかなり小さくなっている。
次に、「CINEBENCH」系の最新レンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
スコアの傾向は「CINEBENCH R20」とほぼ同じ。シングルコアテストについてはRyzen 7 5700Gを上回るが、マルチコアテストでは逆転されている。ただし、その差は約1%とごくわずかで、動作クロックが低めに設定されている分をL3キャッシュでしっかりとカバーすることができている。
次に「V-Ray 5」ベースのレンダリングベンチマーク「V-Ray 5 Benchmark」の結果を確認しておこう。
Ryzen 7 5800Xがトップなのはこれまで通り。また「CINEBENCH」系のベンチマークに比べてL3キャッシュの容量が重要になるようで、Ryzen 7 5700Gとの比較ではクロックが約9%低いにも関わらず処理性能では約2%上回る結果になった。
続いて、3Dモデリングソフト「Blender」のパフォーマンスを計測する「Blender Benchmark 3.1.0」の結果を確認していこう。レンダリングにはCPUを選択し、サンプルは「monster」「junkshop」「classroom」の3種類を使用した。
「Blender 3.1.0」でもL3キャッシュが効果的に働くようで、Ryzen 7 5700Gとの比較ではすべてのサンプルでほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。ここまでの結果を見る限り、Ryzen 7 5700Gに比べるとマルチコアテスト時のクロックは低いものの、L3キャッシュ容量によってその差は完全に埋めることができているようだ。