エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1132
2022.04.25 更新
文:撮影・藤田 忠
MTP190WとなるCore i7-12700Kは、240mmサイズラジエターで十分に冷却でき、CPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」実行時でも、最大温度は「Intel標準設定」、「リミット解除設定」ともに85℃に抑え込めている。また冒頭の温度が高い部分を除けば、「Intel標準設定」で63~65℃、「リミット解除設定」で75~78℃で推移している。「CINEBENCH R23」と比べて負荷が低く、実使用に沿った「OCCT 10.0.7:CPU」実行時は、最大でも70℃台と余裕のある温度になっている。
動作クロックを確認すると、「CINEBENCH R23」実行時の「Intel標準設定」のPコアはテスト開始時こそ、4,688.5MHzだが、その後は4,289.5MHzで動作している。変わって電力制限を外した「リミット解除設定」のPコア動作クロックは、4,688.5MHzまで伸びていた。「OCCT 10.0.7:CPU」実行時も傾向は同じだが、「Intel標準設定」はおおむね4588.8MHzで動作し、「リミット解除設定」は、最大クロックとなる4,688.5MHzで推移していた。
両ストレステスト実行時のCPU温度と動作クロックの推移をみると、「MasterLiquid PL240 Flux」は、Core i7-12700Kの性能を最大限に引き出した状態でも、余力を残して冷却できていると言えるだろう。
テストセッションの最後はストレステスト中の騒音値をチェックしよう。計測はテスト環境から約30cm離れた位置で行っており、暗騒音値は34.3dBAだ。
アイドル時は350rpm程度までダウンするだけあって、騒音値は35.9dBAと静かだ。アイドル時もポンプは全力回転の状態なので、「MasterLiquid PL Flux」シリーズが採用するポンプの静粛性は優秀と言える。高負荷な「CINEBENCH R23」実行時の「リミット解除設定」では、さすがに回転数が1,800rpm前後に達し、騒音値も40dBAを超える41.3dBAになったが、PCケースに収めてしまえば、40dBAは切るレベルだ。そのほかは回転数が1,000~1,200rpm程度とあって40dBAを余裕で切った、静かと言えるレベルに収まっている。回転数が2,100rpmを超えると騒音値は45dBA程度までアップするので、ファンコントロールなどで、2,000rpm以下に設定しておくのが良いだろう。
MTP190WとなるCore i7-12700Kのパフォーマンスを最大限に引き出せる冷却性能を発揮したCooler Master「MasterLiquid PL240 Flux」。当然、最大冷却性能という面では、360mmサイズラジエターモデルに一歩譲ることになるが、コンパクトなMini-ITXケースにも取り付けできる240mmサイズラジエターの高い汎用性と静音性、そしてPC内部を彩るLEDイルミネーションギミックと、オールインワン水冷ユニットの魅力を網羅したモデルとなっている。
コンパクトなPCケースを多くラインナップするCooler Master。小型ATXケースの「MasterBox Q500L」や、3スロット占有グラフィックスカードに対応するMini-ITXケース「MasterBox NR200」などと組み合わせるのも良いだろう。
協力:Cooler Master Technology