エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1136
2022.05.03 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ニッケルメッキ加工が施された受熱ベースは、CPU接触面で幅約42mm、奥行き約45mm、厚さは最大部で16mmとなり、5本のヒートパイプが上下プレート間にサンドイッチ状態に加工されている。ここがキモとなる部分で、接合部が冷却能力を大きく左右し、工作精度の高いNoctuaの真骨頂とも言うべき見せ所になっている。
そしてφ6mmの銅製ヒートパイプは、受熱ベース同様にニッケルメッキ処理が施されている。見た目の美しさは付加価値で、酸化や腐食を防止する重要な役割を果たしている。受熱ベースがCPUの熱を吸い上げ、均等に整列されたヒートパイプに伝導。アルミニウム製放熱フィンまで熱移動を繰り返し、これを側面から120mmファンで冷やす。この一連のサイクルが空冷ファンの仕組みだ。
これら構成部品の各々が効率良く最大限にパフォーマンスを発揮させるには、高い工作精度と放熱フィンのピッチ、そこに貫通するヒートパイプのレイアウトなど、全ての要素が高いレベルである必要がある。騒音値など気にせず力にものを言わせ、大風量をもってすればある程度の能力は発揮できるだろう。
しかし静音性も良いCPUクーラーには必須項目であり、このバランスが優れた製品こそ市場からの支持を得ることができる。ことNoctuaはどの製品も長く検証を重ねて製品化されており、”間違いのない冷却機器メーカー”として世界的に信者がいる事はご存じの通りだ。
背面からヒートシンクを観察すると、ヒートパイプのレイアウトがよく分かる |
受熱ベース部とヒートシンク間を見ると、120mmファン「NF-A12x25r」の一部がはみ出している状態が確認できる |