エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1136
2022.05.03 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
NH-D12Lの冷却性能を検証するにあたり、準備段階としてマザーボードへの搭載手順をご紹介しておこう。今回は検証用マザーボードに合わせ、Intel LGA1700への取り付け方法を解説するが、AMD系への搭載方法もさほど難しくはなく、丁寧で分かりやすい付属のイラスト入りマニュアルを見れば、比較的経験の浅い自作PCユーザーでも、難なく作業を進める事ができるだろう。
NM-IBP4 backplateのLAG1700用ネジ穴に、NM-IBT5 boltsを装着する |
完成したところで、マザーボードのCPUソケット周辺にある4つの穴に装着 |
マザーボードを表に返した状態。これでベース部分の裏面の作業は完了したことになる |
次にブルー色のプラスチック製NM-IPS3 blue plastic spacers for LGA1700をセット |
搭載向きに注意し、NM-IMB3 mounting barsを載せ、NM-ITS1 thumb screwsでしっかりネジ留めすれば台座は完成 |
冷却ファンを外した状態のNH-D12Lを、受熱ベース上に固定されたクロスバー「NM-SFB4」左右のスプリングで台座にネジ留めを行う。なお受熱ベース部にグリスを塗る作業をお忘れなく |
左右交互にテンションを掛けて行けば、ツインタワー型のヒートシンクの固定が完了。念のためガタツキなどもチェックしておこう |
最後に冷却ファン「NF-A12x25r」を元に戻し、電源ケーブルを接続すれば作業は完了。ここまでの所要時間は10分程度だろう |
マザーボードへの搭載が完了したところで、隣接するメモリスロットに対するクリアランスをチェックしよう。とは言え、そもそもツインタワー型アルミニウム製ヒートシンクは非対称デザインで、サポート一覧に掲載されているソケットのCPUであれば、100%の互換性(干渉無し)が謳われている。
搭載テストに使用しているのは、薄型ヒートスプレッダを装着した、Kingston FURY Beast DDR5メモリ(高さ34.9mm)。画像からも明らかで、CPUに最も近いメモリスロットをNo.1ヒートシンクが避けきれているため、大型ヒートスプレッダを装着した、オーバークロックメモリも気にする事なく搭載できる事が分かる。
NH-D12Lには付属品として、デュアルファン運用を想定したファンクリップが同梱されている。つまり単体発売されているNF-A12x25rを用意し、No.1ヒートシンクに固定すれば、デュアルファンでの運用ができるというワケだ。No.1ヒートシンクは中央に搭載されたNF-A12x25rの吸気側に面しているため、冷却ファンによる恩恵は極めて受けにくい。ここにNF-A12x25rを増設すれば、理論上No.1ヒートシンクには標準状態とは比較できないほどの風量を得ることができる。もちろん冷却性能はアップするだろう。
しかし、NH-D12Lのコンセプトはローハイトだ。No.1ヒートシンクに隣接するメモリスロットに覆いかぶさる状態でNF-A12x25rを増設すると、全高は最大値で約160mmになってしまう。これではせっかくのコンセプトは台無しで、NH-D12Lを選択する意味が一気に無くなってしまう。必要に駆られる事はあるだろうが、このスタイルにするなら素直にNH-U12A(全高158mm)を選択すべきだろう。