エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1144
2022.05.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
内蔵GPUでは快適なゲームプレイは難しいことが判明したところで、テストセッションのラストはGeForce GTX 1650を搭載するエントリーグラフィックスカードGIGABYTE「GV-1656OC-4GD」を増設して、ゲーミング性能を簡単にチェックしていこう。ベンチマークソフトには「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」(解像度:1,920×1,080ドット/プリセット:最高品質、高品質、標準品質)と「Tom Clancy’s Rainbow Six Siege」(解像度:1,920×1,080ドット/プリセット最高、高、低)を使用した。
「ファイナルファンタジーXIV︓暁月のフィナーレ」の結果を確認すると、グラフィックスカードの負荷が高い“最高品質”ではほぼCPUクロック通りの約3%の差に留まる。しかし、“高品質”では約8%、“標準品質”では約14%に広がり、Celeron G6900ではGPUの負荷が軽くなるに従ってCPUがボトルネックになっていることがわかる。
そして「Rainbow Six Siege」の結果を見るとCeleron G6900では、いずれのプリセットでもPentium Gold G7400の半分以下までフレームレートが低下している。ベンチマーク結果のCPU負荷を見てもCeleron G6900ではすべてのプリセットで100%に張り付いており、やはりCPU性能がボトルネックになっているようだ。
Rainbow Six Siegeのベンチマーク結果を確認すると、Celeron G6900ではいずれのプリセットでもCPU負荷が100%を記録していた |
今回はIntel H610チップセットモデルの中でも最安クラスとなるGIGABYTE「H610M S2H DDR4」をベースにしたAlder Lake PCの検証を進めてきた。マザーボード自体は低価格を追求した製品ということで、チップセットやM.2スロットのヒートシンクが省略されるなど随所にコストカットの影響がある。
しかし電源回路は「50A Low RDS(On) MOSFET」による計8フェーズ構成と同価格帯の中では充実している。実際の高負荷テストでもMOSFET温度は低く抑えられており、Non-Kモデルのミドルレンジクラスまでなら冷却性能が不足する心配もない。
また最近の製品では珍しくHDMI、DisplayPort、DVI-D、D-Subの4系統のディスプレイ出力が実装されているのも、グラフィックスカードなしで運用することが多いローエンドPCでは大きなメリット。特にDVI-DやD-Subのみの古いディスプレイが余っているユーザーにとっては嬉しい装備と言えるだろう。
そして組み合わせるCPUだが、従来モデルからIPCが大幅に向上していることもありシングルスレッド処理が中心のサブマシンならCeleron G6900でも問題ないだろう。ただし、シングルスレッド処理でも複数の画面を開いたり、ちょっとでもゲームをする予定があるなら約3,000円高くなるがPentium Gold G7400がオススメだ。同じ2コアながら、Hyper-Threading Technologyによってマルチスレッド性能は大幅に向上。さらにゲームプレイ時のボトルネックも劇的に改善することができる。
協力:日本ギガバイト株式会社