エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1147
2022.05.30 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
Beelink「SER 3」(型番:SER3-E-16512E)実勢売価税込59,500円前後(2022年5月現在) 製品情報(Beelink) |
本格的な検証に入る前に、エルミタ初登場となるBeelinkについて簡単に紹介しておこう。2011年に中国深センに設立されたメーカーで、ゲームコンソールやホームクラウド端末、リモコン、各種ドングルといったホームエンターテイメント関連の製品を得意としている。また最近ではノートPC向けのモバイルCPUや省電力SoCを搭載したミニPCに注力しており、ホームページには20種類近い製品がリストアップされている。
そのBeelinkが手掛けるNUCサイズの極小PCが今回の主役である「SER 3」だ。「SER」シリーズの中ではミドルレンジクラスに位置づけられる製品で、約120mm角の超小型筐体を採用。CPUは価格を抑えるため第2世代モバイルRyzenこと、Zen+アーキテクチャのRyzen 7 3750H(4コア/8スレッド/定格2.3GHz/ブースト時最高4.0GHz/L3キャッシュ4MB/TDP35W)が搭載されている。
製品には本体の他、小型のACアダプタ(19V/3A)、HDMIケーブル(2本)、VESAブラケット+取り付け用ネジ、マニュアルが付属する |
コア数が2倍に拡張され、IPCも大幅に引き上げられたZen 2/3世代のCPUに比べるとさすがに見劣りする部分はある。しかし、動作クロックは最高4.0GHzまで上昇し、シングルスレッド性能は初代や第2世代のデスクトップ向けRyzenに匹敵する。またGPUコア数10コアのRadeon RX Vega 10 Graphicsを内蔵しており、低価格なミニPCで採用されることが多い、第10世代以前のIntelプロセッサや、省電力SoCに比べるとグラフィックス性能にも期待ができる。
ブラックとレッドのツートンカラーのパッケージ。本体同様コンパクトにまとめられており、サイズは実測幅137mm、高さ127mm、奥行き110mm |
ネットワークは有線LANがギガビット、無線LANがWi-Fi 5までの対応となり、最新の2.5ギガビットLANやWi-Fi 6無線LANの実装が見送られたのは残念なところ。インターフェイスはUSB3.0 Type-Ax4、USB Type-Cx1、3.5mmイヤホンジャックx1、HDMIx2でNUCサイズのミニPCとしては標準的な構成。HDMIは同時出力が可能なため、4K/60Hzのデュアルディスプレイ環境の構築にも対応する。
実際にHDMIポートに4K液晶ディスプレイを2台接続してみたが、動作に問題なかった |
製品ラインナップは「8GBメモリ+256GB SSD」と今回検証する「16GBメモリ+512GB SSD」の2モデルで、いずれもOSはWindows 11 Pro 64bit版をプリインストール。なお原稿執筆時点(2022年5月)でのAmazonでの販売価格は前者が税込50,830円、後者が税込59,330円だった。