エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1147
2022.05.30 更新
文:撮影・編集部 池西 樹
まずはテスト時間が短く、ブースト状態の最高パフォーマンスの計測に向く定番3Dレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」の結果を確認していこう。
シングルコアテストの結果は145cbで、データベースのスコアと比較すると、さすがに最新のZen 3や1世代前のZen 2との差は大きいものの、Zen+世代のデスクトップCPU(APU)であるRyzen 5 2400Gとほぼ同等のパフォーマンスを発揮。Zen世代ならハイエンドのRyzen 7 1700に匹敵し、ビジネスアプリケーションなら快適に動作させることができる。
またマルチコアテストについてはシングルコアテストの約4.5倍になる670cbを記録し、SMT機能もしっかりと効果を発揮している。ちなみにデータベースのスコアとの比較では、クロックが低めのためRyzen 5 2400Gには敵わないものの、4コア/4スレッドのRyzen 3 2200Gよりは15%以上も高いスコアを記録した。なおメモリの構成についてはスコアにほとんど影響はないようだ。
「CINEBENCH R15」に比べて、テスト時間が長く、より実際のシーンに近い性能が測定できる「CINEBENCH R20」のスコアも確認していこう。
シングルコアテストは370ptsで、やはりZen/Zen+世代のデスクトップPCに匹敵する優秀なパフォーマンスを発揮する。そしてマルチコアテストだが、こちらもシングルコアテストから約4.19倍スコアが上昇しており、SMT機能による効果も確実にある。
「CINEBENCH」系ベンチマークの最後は、マルチコアCPUへの最適化が進んでいる「CINEBENCH R23」のスコアを確認していこう。
これまでのテストに比べるとテスト時間が長く、ブースト機能の効果が下がるため、シングルコアテストとマルチコアテストの差はこれまでよりも縮まっている。それでもシングルコアテストの4倍以上のスコアを記録しており、マルチスレッドに最適化したアプリケーションや、シングルスレッド処理を複数動かすようなシーンでも、よほど重い作業でなければストレスを感じることはないだろう。
続いて定番3Dベンチマーク「3DMark」の結果を確認していこう。今回は内蔵GPUということを考慮してプリセットには「Time Spy」「Fire Strike」「Wild Life」「Night Raid」の4種類を使用した。
「CINEBENCH」系のベンチマークでは、シングルチャネルとデュアルチャネルでほとんど差がなかったが、APIにDirectX 12を使用する「Time Spy」と「Night Raid」では25%以上、DirectX 11を使用する「Fire Strike」やVulkanを使用する「Wild Life」では45%以上と非常に大きな差がついた。グラフィックス性能を重視するなら、メモリは必ずデュアルチャネル構成で運用するようにしよう。