エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1152
2022.06.07 更新
文:撮影・こまめ
ディスプレイのサイズは13.3型で、解像度は2,880×1,800ドット。画素密度は255ppiで、非常に高精細だ。標準ではスケーリングが200%に拡大されており、文字は印刷クオリティに迫るほどなめらかに描かれている。デスクトップの文字は1.5~2mm程度と小さいが、必要に応じて見やすい大きさに変えるといいだろう。
パネルはOLED(有機EL)で、ノートPCでよく使われるIPSパネルよりも色が鮮やかで明るい。IPSパネルに見慣れていると色がやや派手に感じるが、写真や動画の美しさは抜群だ。用意されているカラープリセットは4種類。標準収録ユーティリティ「MyASUS」から手軽に変更できる。
OLEDパネルはコントラストが高く、色がとても鮮やかに映し出される。ベゼルが細い狭額縁デザインで、画面への没入感も高い | ディスプレイは180°まで開閉可能。視野角が広く、画面を斜めから見ても色や明るさはほとんど変わらない。相手に画面を見せる際に便利だ |
「MyASUS」の「カスタマイゼーション」→「色域」で、4種類のプリセットからディスプレイのカラーモードを手軽に変更可能 |
プリセットとして用意されているカラーモード。「ネイティブ」(左上)と「sRGB」(右上)はほとんど違いがわからなかったが、「DCI-P3」(左下)と「Display P3」(右下)は赤の強弱が現われている |
i1 Display Proによる色域の計測結果。DCI-P3モードは確かにDCI-P3カバー率が100%ではあるが、DCI-P3比では112.1%と大きくオーバーしている。クリエイティブワークに利用するなら、キャリブレーションを行なったほうがいいだろう | 明るさは公称値では最大550nitとのことだが、評価機では最大で340nitだった。公称値よりもだいぶ低いが作業には問題ない |
OLED(有機EL)パネルは、長時間同じ映像を表示し続けると”焼き付け”が発生することがある。最近のパネルは以前よりも焼き付けが生じにくいと聞くが、一度焼き付けが生じると取り除くのは困難なので気になる人も多いだろう。
実際のところ今回の検証では3~4時間程度同じ内容を表示し続ける場面が何度かあったが、この程度では焼き付けは生じなかった。ただし万が一に備えて、対策を行なっておきたい。
「MyASUS」の「カスタマイゼーション」→「ASUS OLED Care」で、OLEDパネルの劣化を防ぐ各種機能を利用できる。積極的に利用したい |
アイドル状態が30分間続いた際に起動するスクリーンセーバー | アクティブウィンドウ以外の輝度を落とす「ターゲットモード」 |
キーボードはバックライト対応で、テンキーなしの日本語配列だ。今回は評価機が英字配列だったため、実際の日本語配列を確認できていない。しかしこのシリーズは比較的配列に違和感がないので、「Zenbook S13 OLED UM5302」についてもおそらく問題ないだろう。
キーピッチは19.05mmで、キーストロークは約1.4mm。薄型ノートPCにはキーストロークが極端に浅い機種があるが、「Zenbook S13 OLED UM5302」では比較的深めに作られている。またキートップには0.2mmのへこみがあり、キーが指先にフィットしやすい。入力時にはスイッチのグラつきがわずかに感じられるものの、軽量薄型タイプとしてはしっかりしたタイプ感だ。
キーストロークは薄型モバイルノートPCとしてはやや深めの約1.4mm。押した瞬間のクリック感は固めで押下圧は強く、軽いタッチならハッキリとした手応えを感じられる | 軽い力でもタイプ音がわずかに聞こえるが、気になるほどではない。ただし強い力で打つとタイプ音が響くので、打ち抜くように入力する人は周囲への配慮が必要だ |
タッチパッド部分には、テンキーとしても使える「ASUS NumberPad 2.0」が使われている。タッチパッドの右上部分を長押しするだけで、テンキー機能のオン/オフを切り替え可能だ。数字キーは比較的大きく、横のキーピッチは22mm相当。しかし縦のキーピッチは15mm程度で、やや縦方向に窮屈に感じた。またEnterキーの位置が標準的なテンキーとは異なるため、使い始めは違和感があるかもしれない。しかしテンキーなしのキーボードよりは、はるかに数値入力がはかどるはずだ。
テンキーとしても使えるタッチパッド「ASUS NumberPad 2.0」を搭載。タッチパッド右上を長押しすれば、機能のオン/オフを切り替えられる | 物理キーではないためキーの境界が判別しづらく、板を叩くような感触を受ける。それでもテンキーなしキーボードよりも、数値入力の効率が向上するはずだ |