エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1152
2022.06.07 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Zenbook S13 OLED UM5302」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックをおさらいすると、CPUがRyzen 7 6800Uでメモリ容量は16GB、ストレージは1TB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはCPU内蔵のRadeon 680Mだ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 11の電源プランを「バランス」に設定。さらに「MyASUS」の「カスタマイゼーション」で動作モードを「パフォーマンスモード」に設定している。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
シングルコアのスコアでは前世代のRyzen 7 5800Uをやや下回ったものの、マルチコアのスコアでは3~5%程度上回っている。ただしどちらにしても、数値的には誤差レベルだ。これはRyzen 7 6800Uはそれほどパワーアップしていないというわけではなく、「Zenbook S13 OLED UM5302」においてはあえて性能を抑えているのかもしれない。特に薄型コンパクトな機種は熱による影響が高いため、その可能性は大だ。
位置付け的には同ランクの第12世代Intel Core i7-1280Pの平均値を見ると、Ryzen 7 6800Uを搭載した「Zenbook S13 OLED UM5302」のほうがスコアが低い。単純にCPUの計算性能だけで見れば、インテル製CPUのほうが優秀だ。だがモバイルRyzen 6000シリーズの真価は、高いグラフィックス性能にある。CPUベンチマークの結果は、評価すべき要素のひとつとして考えたほうがいいだろう。
ストレージとしては、512GBまたは1TBのPCI-Express4.0 M.2 SSDが使われている。評価機で使われていたのは、Samsungの「PM9A1シリーズ」(MZVL21T0HCLR-00B00)で、最大7,000MB/秒の超高速タイプだ。アクセス速度はシーケンシャルリードで6,600~6,700MB/秒前後、シーケンシャルライト4,900MB/秒前後で公称スペックにはやや及ばなかったものの十分高速。快適なレスポンスを期待できる。
データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけても、アクセス速度はほとんど変わらなかった。サーマルスロットリングの影響は少ないと考えていいはずだ。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による1TB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.22.7359」から、DirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
ベンチマークスコアとしては、現在市場に出回っているゲーミングノートPC向けのディスクリートGPUには及ばなかった。しかしIris Xe GraphicsやRadeon Graphicsといった従来の内蔵GPUのスコアは大きく上回っている。非常に優秀な結果だ。