エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1152
2022.06.07 更新
文:撮影・こまめ
人気のシューター系タイトル「エーペックスレジェンズ」では、解像度を1,920×1,200ドットに設定し、射撃訓練場内でのFPSを計測した。実際のプレイではこの結果から10%前後FPSが落ちると考えていただきたい。
このタイトルはFPSのなかではやや重い部類に入るのだが、1,920×1,200ドットでも画質を落とせばそこそこ快適に楽しめそうだ。本気でプレイするならゲーミングノートPCのほうが好ましいが、普段使っているモバイルノートPCでもカジュアルにプレイできるとなれば、それだけでも十分検討に値する。
RDNA 2アーキテクチャのGPUを搭載するPCでは、「AMD Software: Adrenalin Edition」で低解像度のゲーム画面をアップスケールして高画質化する「Radeon Super Resolution(RSR)」を利用可能だ。「FidelityFX Super Resolution(FSR)」との違いはFSRが対応ゲームでしか利用できないのに対し、RSRはほとんどのゲームで利用できる点にある。使い方は簡単で「AMD Software: Adrenalin Edition」で設定を有効にしたあと、ゲーム内のビデオ設定で解像度を下げるだけ。非常に手軽だ。
「AMD Software: Adrenalin Edition」の「設定」→「(グローバル)グラフィックス」で「Radeon Super Resolution」を有効にしたあと、ゲームの設定画面で解像度を下げればOK |
実際にSRSを標準設定で試したところジャギーやボケがなくなり、映像がシャープに感じられた。ただし細かいディティールはネイティブ解像度(2,880×1,800ドット)ほどではなく、映像がちょっとクリアになったかなという程度だ。劇的に向上するほどではない。
1,600×1,000ドットでSRS無効の際のゲーム画面の一部 | SRSを有効化した際のゲーム画面。ゲーム内の設定解像度は変わらないが、映像がより精細になっている |
2,880×1,800ドットのネイティブ解像度時の画面。SRSでなんとなくごまかされている細かいディティールまでハッキリと映し出されている |
SRSを利用すれば、低解像度でもそこそこの画質でゲームをプレイできる。ただし非常に荒い画面を劇的に向上させるわけではなく、ちょっと低めの解像度でフレームレートをやや底上げする程度と考えたほうがいいかもしれない。それでも従来の内蔵GPUより快適なプレイを実現できるのであれば、積極的に活用したい。
「PCMark 10」は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストだ。各テストのスコアが目標値を上回ることで、その分野では快適に使えるとのこと。ただし一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれる。各テストの傾向としては「Essentials」(一般利用)ではCPUのシングルコア性能やストレージ性能、「Productivity」(ビジネス利用)ではCPUのマルチコア性能とメモリ性能、「Digital Contents Creation」(コンテンツ制作)ではCPUとストレージ、GPU性能が強く影響するようだ。
なお今回は比較用に、内蔵GPUタイプのタブレットPC(Intel Core i7-1185G7/16GBメモリ/256GB NVMe SSD/Iris Xe Graphics、比較機①)と、エントリーGPU搭載のスタンダードノートPC (Ryzen 7 5800H/16GBメモリ/512GB NVMe SSD/NVIDIA GTX 1650、比較機②)の結果を追加した。
テストでは非常に優秀な結果が出ている。総合的には、ゲーミングノートPC向けCPU/GPUを搭載した機種に迫るほどだ。特に優秀なのが、GPU性能が影響するコンテンツ制作のテスト。3Dベンチマークテストではエントリー向けディスクリートGPUには及ばなかったものの、実際には並みのクリエイター向けPCと同等レベルと考えていいかもしれない。