エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1156
2022.06.18 更新
文:撮影・藤田 忠/編集・エルミタージュ秋葉原編集部
本格的な検証を始める前に、まずはCore i9-12900KSのスペックを簡単におさらいしておこう。第12世代Intel Coreプロセッサの最上位に位置づけられる“SPECIAL EDITION”で、ベースとなるCore i9-12900Kから動作クロックはさらに向上。ベースクロックはEコア2.50GHz、Pコア3.40GHz、Max TurboクロックはEコア4.00GHz、Pコア5.20GHz、Pコアの最高クロックは5.50GHzに達し、特にシングルスレッド性能が重要になるハイエンドゲーミングPCのCPUとしてはまさに最適なモデルと言えるだろう。
ただし、高クロック化のトレードオフとして消費電力や発熱も上昇しているため、そのパフォーマンスを最大限に発揮するには冷却システムが重要になる。さらに安定した電力を供給するためにマザーボードや、電源ユニットなどの構成パーツにも十分気を配る必要があるだろう。なお詳細についてはこちらのレビューを参照いただきたい。
その他スペックはCore i9-12900Kを踏襲しており、コア数はPコアが8コア/16スレッド、Eコアが8コア/8スレッド、L2キャッシュは14MB、スマートキャッシュは30MBで、メモリはDDR5-4800、DDR4-3200までサポート。内蔵GPUは実行ユニット32基のIntel UHD Graphics 770が搭載されている。
「CPU-Z 2.01.0」の結果。コア数やキャッシュの構成などはCore i9-12900Kから変わりなし |
PコアはHyper-Threadingに対応するため、「タスク マネージャー」からは24個の論理プロセッサを認識する |
製品の概要を把握したところで、ここからはCore i9-12900KSをベースにしたゲーミングPCを構築し、そのパフォーマンスをチェックしていく。CPUと並び重要なグラフィックスカードにはNVIDIA GeForce RTX 3090を搭載するMSI「GeForce RTX3090 SUPRIM X 24G」を採用した。今年2月頃までは税込40万円を超えていたウルトラハイエンドモデルだが、GPUの品薄が解消傾向にあることから、最近では約半額の税込20万円強で購入できるようになったお買い得感の高い製品だ。ちなみに、より上位のGeForce RTX 3090 Tiを搭載した製品も税込25万円前後から購入できるため、予算に余裕があるならこちらをチョイスするのもいいだろう。
またマザーボードには、計20フェーズの堅牢な電源回路を備えるMSI「MPG Z690 CARBON WIFI」(Intel Z690)を、CPUクーラーには冷却性能に定評のある360mmラジエターオールインワン型水冷ユニットMSI「MEG CORELIQUID S360」を搭載。そしてメモリには6,000MHzの高クロック動作に対応するADATA「XPG LANCER RGB DDR5-6000 16GBx2」を使用している。(検証:岸本仁)
シングルスレッド時はほぼ5.50GHzまでクロックが上昇 | Power Limit値はマザーボードの定格であるPL1=PL2=4,095Wの設定でテストをしている |