エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1157
2022.06.20 更新
文:編集部 Tawashi・Chaka/撮影:松枝 清顕
大容量モデルが当たり前となった今、外付けSSDのヘビーユーザーと言えばデジタルを駆使するクリエイターが挙げられることが多い。実際にクリエイティブの現場でSSDがどのように使われているのだろうか。カメラマンの土肥祐治氏に「Crucial X6 Portable SSD (2TB)」「Crucial X8 Portable SSD (2TB)」を手にしてもらい、話を聞くことができた。
土肥祐治氏。プロカメラマン。雑誌や広告など数多くの媒体で幅広く活動する。阿佐ヶ谷美術専門学校で写真授業の講師も務めるほか、書籍の執筆も手掛ける。近著に『建築でめぐる日本の美術館』、共著に『もっと写真構図のルールブック』など |
昔は外付けのHDDを使っていたんですよ。ちょうどデジタルカメラが普及し始めた頃です。ACアダプターが必要だった外付けHDDがUSBで駆動するようになってから、バックアップ用に使い始めました。
例えば滞在先のホテルなど、東京に戻らなくても取材現場で撮影データのバックアップを取れるという点ではすごく便利になったのですが、難点もありました。それは物理的に壊れる恐れがあるということです。
撮影機材は三脚やストロボなど大きくて重いものが多く、その中で衝撃を加えたくない繊細なHDDには神経を使いました。分厚いクッション材のケースに入れて移動時の振動を抑えたり、転送中に給電コードを引かないように注意したり、動作時のカリカリ音に異常がないか耳を澄ましたり。なにしろ大事な撮影データなので責任があります。耐久性には不安がありましたね。
その点、この「Crucial X8 Portable SSD (2TB)」は2mの耐落下衝撃など堅牢性をアピールしていて安心感があります。自分で落として壊れるか確認してみる勇気はないですからね(笑)。
今やMacBookPro13インチがメインPCに。滑りにくいボディは急ぎや場所がないときのチョイ置きで真価を発揮する |
当初は3.5インチの外付けHDDから使い始めましたが、SATAの2.5インチを使うようになっても重さや発熱が気になっていました。SSDにしてからは劇的な軽さと転送速度、製品としての安定感が得られましたね。こうなってくると案件ごとに複数のSSDを使い分け、カメラ内蔵のメモリーカードからPCを介して直接SSDへの転送が可能になります。これを撮影直後に現場で行い、SSDに転送したデータをマスターとして保持する。このスタイルが現在の僕のスタンダードとなっています。
取材撮影したデータを駐車場に戻ったらその場ですぐSSDに転送しておくことも多いです。HDDの時代は転送速度が遅いのでどうしてもまとまった時間と場所が必要でしたが、SSDになってからはそういったストレスがなくなりましたね。
「Crucial X8 Portable SSD (2TB)」には、手に持った感じの安心感がありますね。今まで使ってきたSSDではあまり思わなかったことですが、角の丸みの具合い、ゴムを使った材質など、よく考えられてるなぁと感心しました。コストかけてるなぁ~って思ったんですよね、持った感じの安っぽさがないというか。滑りにくいように表面をゴムでコーティングしていたりなど、実際に使ってみるとわかります。「Crucial X6 Portable SSD (2TB)」は小さくて、PCと持ち歩けるちょうど良い大きさなんですよ。
2TBもの重要なデータを失うリスクを思うと、大容量のモデルはちゃんとした作りであってほしいですよね。安心して使えるほうが良いですから。
軽さはもちろん、誤って落とすことを考えると、手に持った感触も使いやすさの面で重要なポイントとなってくる |