エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1160
2022.06.26 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:pepe
MSI「CLUTCH GM08」 実勢売価税込1,200円前後(2022年6月現在) 製品情報(MSI) |
最後に取り上げるゲーミングマウスは「CLUTCH GM08」。最大4,200dpi(ハードウェアで最大3,200dpi)の分解能に対応するPixArt「PAW3519」を搭載しながら、1,000円チョイで買えてしまうというコストパフォーマンス抜群の低価格モデルだ。
中型サイズのボディはグリップスタイルを限定しない左右対称デザインを採用、サイドにはグリップ感を高める“ドラゴンスケールサイドグリップ”を備える。マウスボタンは全6ボタンを実装し、左右クリックは1,000万回クリックに耐える仕様。底面にはウェイトシステム(3g×2/5g×1)を搭載し、好みに合わせてマウス重量を92~103g範囲で調整できる。
どこかで見たことがあるような、鋭角なデザインを採用。左側にサイドボタンを備える右利き用の左右対称ボディだ |
左右クリックは1,000万回入力に耐えるゲーミンググレードのスイッチ。ボディにはなだらかな傾斜が付いており、アクセスしやすい位置にサイドボタンを備えている |
LEDを内蔵する手のひら部分のドラゴンロゴ。後ろから眺めると、かなりキツめのくびれがついていることが分かる |
マウスソールは四隅に控えめなサイズを実装。底面のカバーを外すとウェイトコントロールにアクセスできる |
1,000円チョイで買えてしまうという低価格モデルながら、最大4,200dpiセンサーを搭載するなどスペック面は申し分ない。いかにもゲーミングマウスらしい尖ったデザインとライティング、十分な性能を備えつつこの価格で購入できる点は、エントリーユーザーにとって何より嬉しい要素だろう。
控えめサイズのソールや多少のモッサリ感があるクリックなど、気になる点がないではない。しかしこの価格帯の製品にアレコレ文句をつけるのは野暮というもの。センサー周りは優秀であり、価格以上のパフォーマンスを備えている点は疑いない。分解能の高いゲーミングモデルを使ってみたいという向きには、最小限のコストで試せる貴重な選択肢と言える。
MSIがゲーミングデバイスメーカー製品を市場に供給し始めてから、もうすぐ10年と言ったところ。後発の立ち位置ながら的確なステップアップを続け、すでにそのレベルは専業メーカーにも引けを取らない水準に達している。そのノウハウが結実したのが、軽量ゲーミングマウスの秀作「CLUTCH GM41 LIGHTWEIGHT」や、そのワイヤレスモデル「CLUTCH GM41 LIGHTWEIGHT WIRELESS」というわけだ。
注目すべきは、ハイエンドクラスのセンサーや優れたビルドクオリティなどを備えつつ、価格面の競争力が極めて高いということ。開発と検証に多くの時間をかけ、何より安定性を重視する姿勢が、製品の品質を高めているのは間違いない。手抜きのない高性能な製品がかなりのお値打ち価格で手に入る、ユーザーにとってはなんとも魅力的な話だ。いまやデバイスメーカーとして軌道に乗ったMSIから、今後もどのような製品が生み出されるのか目が離せない。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社