エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1161
2022.06.28 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
XPGブランド2台目の検証となる「XPG VALOR AIR」は、税込6,000円台中盤で購入できるコストパフォーマンスに特化したミドルタワーPCケースだ。このように言い切ると、普及価格帯で入門用の筐体というイメージだが、手元資料によると前回取り上げた「XPG DEFENDER PRO」と圧倒的大差は感じられない。
XPG VALOR AIR(型番:VALORAIR BKJP) 市場想定売価税込6,480円(2022年6月17日発売) XPG VALOR AIR(型番:VALORAIR WH JP) 市場想定売価税込6,480円(2022年6月17日発売) 製品情報(XPG) |
XPG VALOR AIRに限らず、近頃のPCケース事情は、いわゆる廉価版とレッテルが貼られるモデルでも、1万円台前半から中盤の製品と見分けがつきづらく、ポンと置かれた筐体の値踏みをしたところで確実に言い当てる事が難しくなっている。粗悪な製品は少なく、いずれも品質は合格点。われわれ自作派にとってはプラスだが、メーカーにとっては低コストでしのぎを削る、厳しい価格帯と言うのが本音のようだ。
そんな事情はさておき、XPG VALOR AIRは今回取り上げるブラック(型番:VALORAIR BKJP)に加え、カラーバリエーションにホワイト色(型番:VALORAIR WH JP)もラインナップ。10年前なら「ホワイト色は1,000円高」といったケースも見受けられたが、いずれも市場想定売価税込6,480円で販売がスタートしている。なお昨今の激しい為替の変動により、今後見直しが入る可能性がある事は付け加えておこう。
ホワイトモデルXPG VALOR AIR(型番:VALORAIR WH JP)もラインナップ。想定売価はブラック同様、好みのカラーが選択できる |
ちなみにXPG VALOR AIRのグローバルリリースは5月31日。日本国内市場での取り扱い開始アナウンスは6月16日だが、ここではじめて「日本限定モデル」として販売される事が発表された。ポイントはロゴマークのカラーで、フロントパネル左下のXPGロゴが、ブラック筐体なら黒、ホワイト筐体なら白にそれぞれカラー変更。グローバルモデルは赤ロゴが採用れていたが、よりシンプルなスタイルを好む市場との見極めだろう。
フロントパネル下のXPGロゴ。グローバルモデルは赤ロゴだが、日本限定モデルは黒ロゴが採用されている |
実機に触れる前に、XPG VALOR AIRの概要をスペック表から見ていこう。今回借り受けたのはブラックで、ホワイトも選択が可能。いずれも主素材にはSPCC(冷間圧延鋼板)が使用されている。後に詳しく解説するが、フロントパネルにもSPCCが使われている点が特徴。質感を上手く表現するには扱い易い素材といった判断だろうか。そして左サイドパネルには3mm厚の強化ガラスが使われている。
対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITXで、ミドルタワーPCケースにカテゴライズ。外形寸法を見ると幅210mmとイマドキのミドルタワーとしては狭く、奥行きは400mmを切る371mm、高さは460mmとされ、本体全景は背の高いコンパクトな筐体という印象だろう。なお重量は4.6kg±5%で、この数値からもコンパクトさを感じさせる。