エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1161
2022.06.28 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは実際に構成パーツを用意し、XPG VALOR AIRをベースとしたPCを組み上げてみる。外装周りから内部構造までくまなくチェックはしたものの、見落としや実践ならではの”気づき”があるかもしれない。さらに搭載後の周辺クリアランスも重要だろう。モデル選定の参考、または購入後のマニュアル代わりとして活用頂ければと思う。
何はともあれ、まずはマザーボードを搭載してみよう。テストには以前詳細検証をお届けしたASRock「Z690 Steel Legend WiFi 6E/D5」を用意。人気のSteel Legendシリーズに属するLGA1700対応DDR5版マザーボードだ。
搭載にあたり、付属のMotherboard StandoffをATX規格に合わせて3本増設。ミリネジのMotherboard & SSD Screwsを使い、合計9箇所をネジ留めした。作業を妨げるものが無いため特に問題はなかったが、左側縦列の3本のネジは開口部手前左の縁が若干ドライバーの邪魔をする。軸の長いドライバーを用意するほどではないが、ネジ山を潰さないよう、無理せずネジ締めを行うといいだろう。
なお搭載後のクリアランスは、右手フロントパネル裏側までが約95mm、上部トップパネル裏側までが約40mmだった。意外だったのは上部のクリアランスが想像よりもタイトであること。どうやら外観上は背が高く見えるものの、実際にはショートボディに対して高さがそう見えるだけのようで、参考までに以前検証を行ったXPG DEFENDER PROの上部クリアランスは約65mmで、計算上25mmも低い事になる。
見た目以上にタイトだったマザーボード上部のクリアランス。ラジエーターが作業の妨げになる事は容易に想像できることから、8pinが2ブロック構成の補助電源コネクタは真っ先に接続しておこう |
マザーボードを搭載したところでCPUクーラーメンテナンスホールと、CPUクーラー有効スペースの状態をチェックしてみよう。
広くカットされたCPUクーラーメンテナンスホールは、LAG1700ソケットのCPUクーラーマウントホールが完全に露出できており、クリアランスも問題ない。これなら比較的大型なバックプレートも干渉することなく搭載できるだろう。
次にレーザー距離計を用いて、CPUから強化ガラス製左サイドパネルの内面までの距離を計測してみた。カタログによると、CPUクーラー有効スペースは公称166mmだが、実測では170mmを示した。プラス4mmは誤差の範囲内と解釈し、実際にCPUクーラーを選ぶ際は、高さ166mmまでを上限にすべきだろう。
電源ユニットには「XPG CORE REACTOR 750 GOLD」を用意。80PLUS GOLD認証のフルモジュラータイプで、10年保証の高耐久性が特徴。120mmファンを搭載し、奥行きは140mmに収められている。
なお有効スペースは公称値で奥行き180mmまでとされているが、スペースを分け合う2.5″/3.5″ HDD/SSD Trayを後方に固定すると実測で約170mm、前方に固定すると実測で約200mmという結果だった。カタログスペックはどの数値を採用しているか分かりにくいが、ここでは2.5″/3.5″ HDD/SSD Trayを前方寄りに固定したところ、実測で約60mmの空きスペースが確保できた。
搭載方法はシンプルで、ボトムカバー右側面解放部から電源ユニット本体をインストールし、背面から4本のインチネジで固定。抜き挿しのし易さを考慮し、必要分だけのモジュラーケーブルは予め装着した状態で固定すればいい |