エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1162
2022.06.30 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
「MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」のスペックや概要をつかんだところで、ここからは実際に「Apex Legends」や「フォートナイト」「エルデンリング」のゲーム画面を見ながら各種機能について紹介していこう。ゲーミング向けの機能はもちろん、クリエイター向けの機能も充実している点に注目してほしい。
「MPG ARTYMIS 323CQR」の解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)であり、いわゆる“ゲーミング標準”のフルHD(1,920×1,080ドット)に比べて1.8倍の広い表示領域をもっている。これに1,000Rの湾曲パネルを採用したことによる没入感や最大リフレッシュレート240Hz、応答速度1msの高速描画、量子ドット技術による高精細な映像がプラスされることで、非常にハイレベルな液晶ディスプレイとなっている。
「Apex Legends」や「フォートナイト」といった視線移動の激しいゲームでも、ウルトラワイドほど頭を左右に動かす必要もないため、長時間プレイしても疲れにくい。また、PlayStation 5やXbox Series Xといった最新のゲーミングコンソールで120Hz出力に対応する。4K信号をダウンコンバートして60Hz、1080p信号をアップコンバートして120Hzの表示に対応し、WQHD解像度を活かしたプレイが可能になるというワケだ。
「エルデンリング」では4K信号をダウンコンバートして60Hz表示 | 「フォートナイト」では1080p信号をアップコンバートして120Hz表示 |
MSI製ゲーミング液晶ディスプレイの定番かつ非常に実用的な機能として実装されているのが、暗闇や夜といった暗いシーンの映像を見やすく補正してくれる「ナイトビジョン」だ。通常暗いシーンは、液晶の輝度を上げたりすることで視認性が改善されるが、画面全体の輝度を一律で向上させるため、明るい部分は白飛びしやすい。ナイトビジョンでは、5段階で輝度を最適化することで、白飛びを抑えゲームの雰囲気を損なうことなく視認性を高めることができる。実際の効果については、後ほど動画を交えて解説セッションで確認してほしい。
「エルデンリング」で驚くほどの効果を発揮した「ナイトビジョン」。検証結果は要チェックだ |
「MPG ARTYMIS 273CQRX-QD」は、VESAのHDR規格であるDisplayHDR 400に準拠している。これにより、黒つぶれや白飛びを抑え、メリハリの効いた映像が表現できる。従来モデル同様、ゲームで有効にするかどうかは好みが分かれるところながら、動画観賞の際には不必要な眩しさも抑えられ、自然な色彩に変えてくれる。
ゲームより動画視聴で有効にすると効果を発揮するDisplayHDR 400。黒の表現もきれいだった |
工場出荷時にキャリブレーションが施され、色差△E(デルタE)において平均△E≤2の色精度を保証。製品には出荷前キャリブレーションの証明書も同梱され、よりムラなく、より正確な色で描画することができる。例えば、カメラで撮影した写真を、標準色に近い色で閲覧用にディスプレイに表示が可能といった具合だ。一般的なデジタルデバイスやインターネットコンテンツの制作はもちろん、高bitのRAWデータ編集や印刷、カラーグレーディングといった用途において圧倒的な信頼性を発揮してくれるだろう。
製品には出荷前キャリブレーション済みの証明書が付属している |
長時間のゲームでも疲労を軽減する定番のアイケア機能は、設定不要で利用できる画面のチラつきを抑える「アンチフリッカー」に対応。さらに、ブルーライトの総量を減らすことで目の緊張を和らげる「ブルーライトカット」を備えている。こちらはOSD設定でON/OFFの切り替えが可能だ。
もうひとつアイケア機能として用意されているのが、液晶に内蔵されたセンサーが周囲の明るさを判断して自動的に最適な輝度を調整する「Smart Brightness」だ。夕方や深夜など、環境光を自動的に感知するので、長時間の作業でも目の疲れを軽減してくれる。